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2021.05.08 08:40

「血赤」の鮮やかさ復活 絵金屏風の本格修理着々、8点完了し残り10点 香南市

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戻ってきた屏風絵「浮世柄比翼稲妻 鈴ケ森」をチェックする保存会のメンバーら(香南市の絵金蔵)

 幕末の絵師、金蔵が描いた芝居絵屏風(びょうぶ)4点がこのほど、東京での修理を終えて香南市赤岡町の「絵金蔵」に返され、関係者が鮮やかさを取り戻した作品に歓声を上げた。修理は18点を対象に2019年から4年計画で進めており、これで8点が完了。今春は残る10点のうち5点を新たに東京へ搬出した。

 絵金蔵は赤岡町内の4地区(一部個人)が保有する屏風23点を保存、管理。作品は描かれてから160年以上が経過し、雨やろうによる傷みが目立ってきていた。以前は神祭の小道具として扱われたことから、修理が行き届いていない面もあるという。

 このため赤岡絵金屏風保存会などが、美術品としての本格修理を計画。10年に薫蒸事故に遭った5点の修理を担った東京の専門業者に、19年から順次作品を託している。経費は18点分で約5千万円。県と香南市、同保存会が負担する。

 4月29日は、「浮世柄比翼稲妻 鈴ケ森」「木下蔭狭間合戦 石川五右衛門」などの4点が1年ぶりに絵金蔵に〝帰還〟。魔よけの意味を持つ「血赤」色などが鮮やかさを増しており、保存会メンバーらが「消えちょった絵がよみがえった」と喜んだ。これに先立ち、同26日には「義経千本桜 鮓屋」など新たに5点が東京に向け運び出された。

 修理の仕上がりを確認した保存会の金沢正寿会長は「みんなあ、自分くの屏風を誇りに思うちゅう。きれいに直ってくつろいだ」とにっこり。沢田美枝蔵長は「やっと半分。後世につなぐ道筋ができてきた」とほっとした様子だった。(深田恵衣)

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