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2021.05.05 08:35

須崎市の夫妻ユニット「nomaten nomaten」あると幸せな物を生活に ユーモアあるヒノキ製品

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カラフルな動物のシリーズを前に、「愛着を感じてもらえれば」と話すかわぞえうどうさん(写真はいずれも須崎市の川村雑貨店)

 須崎市を中心に創作活動に関わる夫妻がこのほど、アートユニット「nomaten nomaten(ノマテン ノマテン)」として活動を始めた。デザイン性やユーモアが共存する木工製品のアートや雑貨を、1点ずつ手作業で生産。同市の川村雑貨店で開いている初の展示会からは「生活に特別必要ではないけど、面白い、楽しいと思う物の中に豊かさがある」という物作りへの思いが伝わる。

 造形作家・イラストレーターとして活躍するかわぞえうどうさんと、同店で県内外の作品を紹介している妻のかわむらひとみさん。

 もともと夫婦で話し合いながら作品を手掛ける中で「より手に取ってもらいやすい『製品』を作りたい思いがずっとあった」と、うどうさんは話す。

 ユニット名に使った「ノマテン」は、反復記号「々」のこと。響きのかわいさに加え、「前の文字次第で読みも意味も変わる柔軟さがある」と捉え、「自分たちの自由な物作りが人々の生活に寄り添い、幸せな日々が続いていけば」(ひとみさん)と思いを込めた。

 製品の軸は、「自分たちが楽しいと思えて、あったら幸せな物」「手作りだけど丈夫で繰り返し作れる物」(うどうさん)。

スマートフォンスタンドやコースターなど日常生活で使える「トリアエズシリーズ」

 主な素材は、地元の工房から仕入れた県産ヒノキの板を使い、レーザーで加工。動作や使い勝手を見ながら微調整と試作を重ねた。

 今回の展示会では二つのシリーズを紹介している。一つは、動物をアクリル絵の具でカラフルに仕上げたアートで、持ち手を引くとキリンの首が90度横に倒れたり、象の鼻がくるくる回ったりする仕掛け付き。裏側は、歯車など動く仕掛けが見える。長男が保育園児だった10年以上前、段ボール紙で作った物が原型という。

一輪挿しなどができる「イロードリ」。その愛らしさで労をねぎらい、生活に彩りを添える

 二つ目は鳥がモチーフで、実用的な「トリアエズシリーズ」。羽の部分を開くと手鏡やルーペ、カードケースになる品など十数種類が並ぶ。鳴子のように音が鳴る「ナルコオドリ」や、メモ帳とゲームがなぜか一体化した「イッセキテチョウ」など、しゃれと遊び心にも力を注いでいる。

 新型コロナウイルス禍で、一時は店舗営業を縮小するなど対応を模索してきたひとみさんは「自分たちの仕事はお客さんの幸せな生活の上に成り立っている。そういう価値観が明確になった」と振り返る。「どうしても必要な物ではないですけど、見る人がくすっと笑えたり癒やされたりしてもらえれば」と、うどうさんは製品を眺めながら語った。

 展示会は5日まで。「nomaten―」は今後製品展開を増やす予定で、同日以降も同店(090・1008・1278=基本的に月曜、祝日休み)で扱う。(徳澄裕子)

高知のニュース 須崎市

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