2021.04.29 08:36
清和女子高生、天日干しの塩作りに汗 田野町の塩職人「田野屋塩二郎」が指導
選択制の教養授業の一環で、日本の食文化に理解を深めようと初めて企画した。生徒は製塩のほか有機大豆の栽培にも取り組み、みそ造りにつなげる。佐藤さんも学校と連携した塩作りは初めてという。
作業場は、同校北側の畑の一角に教員が畳2畳分のビニールハウスを建てた。初日は、佐藤さんが自身も使っている奈半利川河口の海水を二つの製塩箱に注入。汽水域の水は山の成分が入り、ミネラルも豊富であることなどを生徒に説明した。
生徒たちは「濃度にむらができないよう、円を描くように」とアドバイスを受け、ヘラでゆっくりと海水をかき混ぜた。ハウスの中は50度に達することもあり、生徒たちは「サウナみたい」「やせるで」と汗だく。佐藤羽美さん(16)と武市ひなさん(16)は「昔ながらの塩作りは大変だけど、絶対おいしいと思う。塩むすびにして食べてみたい」と話していた。
今後は日々濃度を記録しながら海水を足し、ごみを取り除いていく。順調なら6月下旬に脱水に入り、10キロほどの塩が出来上がる予定。佐藤さんは「日々の世話と地道な積み重ねがあってこそ、値打ちのあるものができることを知ってくれれば」と見守っている。(横田宰成)