2021.04.23 08:40

産卵前ウミガメに発信機 米と共同で生態調査 室戸・廃校水族館

追跡調査のための発信機を装着され、海へ向かうアカウミガメ(室戸市室戸岬町)
追跡調査のための発信機を装着され、海へ向かうアカウミガメ(室戸市室戸岬町)

 室戸市室戸岬町のむろと廃校水族館は22日、産卵を間近に控えるアカウミガメに衛星利用測位システム(GPS)搭載の発信機を付けて放流した。米海洋大気局(NOAA)と共同で、回遊ルートや生態を調査する。同水族館によると、産卵シーズン前に卵を持った状態のウミガメを捕獲し、追跡するのは日本で初めて。
 
 ウミガメは甲長80・6センチ、体重102キロで、14日に三津漁港沖の定置網に入った。日本ウミガメ協議会によりタグが付けられており、2019年に和歌山県みなべ町の千里浜で産卵した個体だと判明。同水族館でエコー検査をしたところ、体内に卵を持っていることが分かった。
 
 北太平洋では、日本が唯一のアカウミガメの産卵地。成長後は北米西海岸に渡り、2~3年周期で産卵のために日本にやって来るという。ただ近年、産卵までの周遊中にウミガメの数が減少。原因調査のため昨年8月、NOAAが同水族館に発信機の装着への協力を呼び掛けていた。
 
 今回、産卵前のウミガメ捕獲をNOAAに連絡。最長3年間追跡できる発信機を装着し、調査することになった。今後、NOAAが収集したデータをもとにオンラインなどで情報共有する。
 
 この日は、同水族館の職員らがウミガメの甲羅に発信機を取り付け、近くの砂浜から放流。ウミガメは手足をゆっくりと動かして海へと向かい、元気に泳いでいった。
 
 同水族館の若月元樹館長は「どのくらいの間室戸にいて、どのようなルートで和歌山に帰るのか、あるいは室戸で産卵するのか。詳しい行動が分かるのは非常に興味深く、新たな発見があるかもしれない」と話した。(板垣篤志)

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