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2021.04.18 08:39

夢枕獏さんが土佐清水市に直筆原稿を寄贈 「白鯨 MOBY-DICK」

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万年筆で書かれた夢枕獏さんの原稿

 作家、夢枕獏さんがジョン万次郎を語り手として描いた長編小説「白鯨 MOBY-DICK」の直筆原稿が17日、高知県土佐清水市に寄贈された。

「白鯨 MOBY―DICK」を宿で執筆する夢枕さん(2019年3月、土佐清水市足摺岬)

 同小説は、米作家メルビルの古典的名作「白鯨」(1851年刊行)に着想を得た。白い巨鯨に片足を食いちぎられたエイハブ船長の復讐(ふくしゅう)劇と同時代に万次郎が生きていたと気付き「もし万次郎がエイハブの捕鯨船に助けられていたら」とイメージした。

 夢枕さんは、万次郎の生家がある土佐清水市中浜のたたずまいや、窪津での捕鯨の実際を、古老や漁業者から聞き取るなど入念に取材。関係者からさまざまな資料も提供され「幸せな作業だった」と振り返っている。その感謝と敬意を込め、ジョン万次郎資料館などがある土佐清水市に、単行本にして500ページを超える原稿の寄贈を希望した。

 夢枕さんはパソコンを使わず、特注の原稿用紙に万年筆で書くスタイル。晩年の万次郎が徳富蘇峰に過去の秘密を語る冒頭部は土佐清水市の宿泊先で執筆した。

 原稿は親交の深い高知市在住の元雑誌編集長、黒笹慈幾さん(70)に託され、土佐清水市の泥谷光信市長に手渡された。泥谷市長は「郷土の偉人を主人公にした立派な小説。原稿は資料館に展示するなど活用したい」と感謝した。

 この日、土佐清水市では夢枕さんの講演も予定されていたが、体調不良で中止に。夢枕さんは「体調が整い次第、改めて講演もサイン会もやらせていただきます」とコメントを寄せた。

 「白鯨 MOBY-DICK」は高知新聞など全国7紙で掲載された。高知新聞では2019年3月から2020年7月まで連載。単行本はKADOKAWAから刊行、2640円。(竹内一)

高知のニュース 土佐清水市

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