2021.04.16 08:50
高知市の「GoTo理美容」即日完売 市外の店は客減少の不安も
クーポンは、新型コロナウイルスの影響で落ち込む理・美容店の利用を促進しようと、同市の業界団体が市の補助金を受けて発行した。財源には国のコロナ対策臨時交付金を活用。12月末まで市内約420店で利用できる。
15日に県内のサニーマート、TSUTAYA、エースワン、エーマックスの計40店舗で発売したところ、早朝から長蛇の列ができ、午後1時ごろには全セットが売り切れた。
同市内の30代の主婦は朝7時半から販売店に並び、1人の上限となる5セットをゲット。さらに追加購入しようと4店舗を回ったが、「どこもすごい行列で買えなかった」という。20代の女性会社員は「9時に行ったのにもう買えなかった。美容院の予約をしたのに…」と肩を落としていた。
同市北本町2丁目の美容室「URU+ai」では早速、3人の客がクーポン券を手に訪れた。前田茜店長(43)は「コロナでよさこい祭りや結婚式がなくなったり、月1回来ていたお客さんが3カ月に1回になったり。うちの収入も減りましたが、これだけクーポンが売れるとは。本当はみんな奇麗にしたいという思いの表れですね」と喜んでいた。
一方で、同市以外の理・美容店には不満も。クーポンは四万十市や香南市、安芸市などでも販売されたが、使えるのは高知市の店だけで、「お客さんが流れる心配がある」(香南市の美容室)、「税金を使ったクーポンで県全体を対象にしないのは不公平」(安芸市の理容店)との声が上がった。
県美容生活衛生同業組合の梶原絹代高知支部長は「反響が大きく、市に追加発行をお願いしたい。窮状に立たされているのは市内の店だけじゃないので県にも発行を働きかける」としている。(高井美咲)