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2021.04.16 08:42

高知県梼原町の桜でコンフィチュールとシロップ 「色、香り、味で楽しんで」

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桜の花を収穫する中越孝子さん(写真はいずれも梼原町川井)

 高岡郡梼原町の女性が、地元の八重桜を使ったコンフィチュール(砂糖漬け)とシロップを手作りし、町内外で販売している。「いい物を作りたい」と無農薬の原材料を集め、連日夜通しで作業。一瞬の春の美しさを瓶に閉じ込め、桜の花を色、香り、味覚で楽しめる一品を食卓に届けている。

 中越孝子さん(55)=川井。地元JAに勤めていた1995年ごろ、女性部の活動で八重桜の塩漬けを手掛けていた。

 その後、歯科助手に転身したが、得意の製菓技術を生かし続けたいと、2011年から独自に受注してケーキや菓子類の製造販売を開始。塩漬けの経験を基に作った桜のジャムは好評で、地産外商の一品として東京やドイツ、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイなどでも販売した。

花はその日のうちに煮て仕上げる。明け方まで作業が続く日も

 10年目の昨年、ジャムのブラッシュアップに取り組み、原材料やデザインを見直し。県産の無農薬レモンから果汁や成分を抽出するなどして、ジャムより粘り気が少ないコンフィチュールを完成させた。煮た液もシロップとして商品化し、ともに「桜花爛漫(らんまん)」のブランド名で、同町のマルシェ・ユスハラや高知市北御座のアグリコレットで売り出した。

 使う桜は、町内に咲く八重紅大島。つぼみから五分咲き程度までの花を日中に収穫する。収穫期は年10日程度しかなく、今春は急に満開になり、収穫が追い付かない日もあったそう。摘んだ花はその日のうちに洗い、鍋で煮て冷凍する。

色が美しい桜のコンフィチュール=右=とシロップ

 コンフィチュールは紅茶やヨーグルトに入れたり、カクテルに添えたりするなど用途は多様。シロップは口に含むと、強烈な桜の香りとこく、レモンの酸味などが広がり、炭酸水や牛乳割りに合う味わいとなっている。

 中越さんは「無着色、無香料だからこそ、桜の良さがそのまま出せる。ちょっとぜいたくな時間を過ごすときに使ってほしい」と薦める。

 今春の桜を使った新物は17日、アグリコレットなどで発売される。コンフィチュールは50グラム1296円、シロップは160ミリリットル1080円(いずれも税込み)。(富尾和方)

高知のニュース 梼原町

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