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2021.04.13 08:54

松山英樹、高知で鍛えマスターズ制覇「まさか」「感無量」県内関係者が涙

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高校時代、ゴルフ部の練習でキャディーバッグを担ぎコースを回る松山英樹選手(2009年2月2日、須崎市のスカイベイゴルフクラブ)

 明徳義塾中学・高校で鍛えた松山英樹選手(29)が、日本ゴルフ史の新たなページを開いた。米国で行われた男子ゴルフの最高峰「マスターズ・トーナメント」を日本人で初めて制覇。高知の日々を知る県民は12日、「まさか!」と驚き、「感無量です」と涙した。

 松山選手が中高時代によく練習していたスカイベイゴルフクラブ(須崎市浦ノ内福良)。クラブ主催の大会で一緒にラウンドした高知市の男性(75)は「スラ~、ヒョロ~と頼りなかった」と話す。それでも飛距離はあったそうで、「『すごい飛ぶね』と声を掛けたら、『アザマスッ!(ありがとうございます)』って元気に返事をしてくれたな」

 職員の梅原博見さん(59)も「松山君は静かで目立たない感じ」。それだけに快挙を知って仰天。「サインもろうとかなきゃ、だったなあ」と冗談交じりに悔しがる。

 「ふてぶてしいとか怪物とか、すごい言われようですけど、本当は優しくてすごく面倒見のいい人なんです」。そう振り返るのは、中学ゴルフ部で1年後輩だった山本健斗さん(28)。「練習に毎日付き合ってくれ。その代わり、スイングは俺が教えてやるから」と言われたのを思い出す。

 平日は食事と睡眠、授業以外のほとんどを「ゴルフ道場」で共に過ごした。松山選手のランニングのタイムを計ったり、デジカメでスイングを撮影したり。すると約束通りスイングを教えてくれた。「目の前のコンテナに座って、ボールも出してくれて」

 週末には、気分転換も兼ねて高知市にある山本さんの自宅に誘った。母親の志穂美さん(56)は「気分転換と言っても家でもずっと練習してたけどね。『不安になる』って」。庭先に置いた練習用の人工芝がすぐにへたるほど、朝から晩までクラブを振っていたという。

 印象に残っているのは、何度も聞いた「両親のために絶対にプロになるんだ」という言葉。「『ゴルファーは体が大きい方がいいんだ』って3人前ぐらい食べて。最初は『ウッ』ってなりながら…。野菜が嫌いで、焼き肉だとお肉ばっかり食べるから、煮込みとかに野菜を混ぜてねえ」

 あどけなく、線の細かった、あの少年が、栄光のグリーンジャケットを着た。「雲の上の人になっちゃった。あなたの人生に関わらせてくれてありがとう」。過ぎし日を思い、涙を拭った。(平野愛弓、井上真一)

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