2021.04.06 08:33
高知市の子ども食堂、住民協力で「ばあば食堂」に コロナに負けず活動再開、手作り弁当好評
新型コロナウイルス禍で活動できなくなった子ども食堂のボランティアたちが、地域住民と協力し新しい形で動きだした。高知市大津甲の関公民館では月1回、弁当を販売する「ばあば食堂」を開催中。温かい手作りの味が好評で、地域の高齢者世帯も多く利用している。
ばあば食堂は、代表の杉村比菜恵さん(58)ら、孫のいる〝ばあば(おばあちゃん)世代〟の女性を中心にスタッフ7人が運営している。
杉村さんらは2018年から大津ふれあいセンターで開かれていた子ども食堂で調理を担当。しかしコロナの影響で20年3月以降は同センターが利用できなくなり、子ども食堂も休止になった。
「皆で集まって食べるのは難しくても、持ち帰り弁当の形で活動できないか」と模索する中、地元の関町内会が「近くにスーパーやコンビニもなく、買い物に困っている人もいる。大変ありがたい」(浜田りえ会長)と快く協力した。
今年1月から関公民館で、農家などからの寄付食材を生かした弁当を手作り。1個300円で予約販売し、毎回80食分が完売している。販売日には杉村さんの知り合いの美容師がボランティアで散髪コーナーも開き、運転免許を返納して外出がままならない高齢者らに喜ばれている。
杉村さんは「こんな時期だからこそ、困っている人の支援になれば。コロナが落ち着いたら、子どもから高齢者まで、一緒にご飯を食べてくつろげる場所にしたい」と話す。
県内52カ所の子ども食堂に対する県の聞き取り調査(1月)によると、弁当配布などの形で活動を続けているのは18カ所。残る34カ所は、会場の公的施設や高齢者施設などを借りられないなどの理由で休止している。(松田さやか)