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2021.03.31 08:44

高知県教委・戸田先生、Jリーグ線審224試合 教員と二足のわらじ20年

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Jリーグの線審として200試合以上に携わった戸田東吾さん=前列左端。高知県で開催されたJクラブのプレシーズンマッチも担当した(2010年2月、高知市の春野運動公園)


「一瞬の判断に責任」
 Jリーグのピッチに200回以上立った高知県の教員がいる。県教委の戸田東吾指導主事(46)。高校の監督や県教委の仕事もしながら、線審としてJ1、J2の計224試合を担当。「20年で200試合。上等やか」。二足のわらじで走った年月を振り返り、晴れ晴れと笑った。

 プレーの助けになればと大学生の時に4級審判員の資格を取った。帰郷し教員になった後の2000年に1級資格を取得。高知東高や丸の内高などに勤務する合間を縫って全国を飛び回り、Jの試合に携わってきた。

 ジャッジをめぐって選手や監督に詰め寄られたことや、バスがサポーターに取り囲まれたことも。厳しい世界で戸田さんを支えたのは「一瞬の判断に責任を持つのがプロの審判」という信念であり、プライドだった。

 「信じられる己をつくる」下地づくりに余念がない。今でも多い時で20キロ以上のランニングを自らに課す。担当予定の試合に入れなかったのは、肉離れだった2試合だけだ。

県教委での事務作業にも全力。職場のムードメーカーでもある(県庁西庁舎)


 もちろん本業にも全力。在籍する県教委高等学校課の浜川智明課長は「任せられたことをきちっとやる責任感がある。それに、自分の中にしっかりとした判断の基準がある」と評する。

 そして、「精神も体力も削られる」Jの舞台に立ち続ける理由がもう一つ。「誰かがJにいれば、高知の若い審判が身近に感じられるろうと思って」。県勢で戸田さん以来20年ぶりに1級を取得した友政利貴さん(27)は「高知で審判を続けたのは戸田さんがいたからっていうのもある。オンオフの切り替えや立ち居振る舞いは本当に参考になる」と尊敬の念を隠さない。

 4月からは文部科学省へ派遣される。どれぐらい審判に入ることができるかは未定だが、「審判の目の前には、いつでも変化がある。僕自身、常に変化したい、成長したいと思っているので、まだしばらくは、この環境に身を置いていたい」。飽くなき向上心で挑戦を続ける。(井上真一)

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