2016.02.25 11:27

四万十アオノリ栽培へ 漁協と四万十市、高知大学が連携

スジアオノリの実験用浮かし網を引き上げる関係者ら(高知県四万十市下田近くの四万十川) 
スジアオノリの実験用浮かし網を引き上げる関係者ら(高知県四万十市下田近くの四万十川) 
 収穫量の低迷が続く高知県の四万十川のスジアオノリ漁を守ろうと、四万十川下流漁協と四万十市、高知大学が連携した栽培事業が2016年秋にも始まる。これまで8年間の共同研究によって、ノリの胞子を付けた網を、生育に適切な水温となる時期に川へ設置する手法にめどが立ち、四万十川下流漁協が本格的に事業に着手する。国の交付金を活用する方針で、四万十市は3月2日開会の市議会定例会に関連予算を提案する。

 四万十川の天然スジアオノリは繊維が細く、口溶けや香りが良いことで高く評価されてきた。しかし、30年ほど前のピーク時に50トン超だった1シーズンの収穫量は、近年低迷している。ここ10年ほどは豊漁の場合でも約10トン、通常は1、2トン前後。1トンを切るシーズンもあり、川漁師らが頭を痛めていた。

 そこで2008年から四万十川下流漁協と四万十市、高知大学が連携し、四万十川で生育条件などの調査研究を開始。2011年からは網を使った栽培実験も、場所や時期を変えながら行ってきた。それらの結果、芽生えの時期の9、10月ごろに水温が高過ぎることが収量減の要因であると分かったという。

 2016年秋から始まる事業では、四万十川で捕れたノリの胞子を長さ18メートル、幅1・2メートルの網120枚に植え付け、水が適温になった時期に四万十川に入れて育てる。一度採取した後に網を張り替えることも予定し、最大で計432キロの収穫を見込んでいる。ブイを付けて浮かし網とすることで、水深などの関係から天然ノリが収穫できなかった場所でも栽培が可能になるという。

 事業費には地方創生関連の交付金を充て、四万十市は関連予算1682万円を2015年度一般会計補正予算案に盛り込んだ。四万十川下流漁協は今後、高知県から区画漁業権の免許を取得し、早ければ10月中にも事業に着手する。

 四万十川下流漁協の沖辰巳組合長(57)は「スジアオノリ漁は地元の重要産業で、地域経済への波及効果も大きいが、現状の収穫量の少なさでは若者が従事できない。自分たちには、技術の継承が間に合ううちに現在の四万十川の姿を残す使命がある。栽培のノウハウを取得し、全国に知られる一大産業にしたい」と意気込んでいる。

カテゴリー: 政治・経済環境・科学教育


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