2021.03.16 08:10
防災研修の学びを伝えたい 「いのぐ」中学生記者がポスター制作
高知県内の中学生が未来の防災リーダーを目指す高知新聞「防災いのぐ記者」の2020年度最後の研修会がこのほど、高知市内で開かれた。参加した9人は南海トラフ地震に備える啓発ポスターを制作。1年間の学びを多くの人に伝えるため、新聞広告で使われるキャッチフレーズやデザインを活用し、集大成の研修に取り組んだ。
2020年度のいのぐ記者は、昨年6月に研修をスタート。夏は、大学教員の指導を受け、各自宅の災害リスクを調査し、東日本大震災の被災者の話を聴講。秋には、災害時に食糧になる野草の採集と調理など、自らの身を守る基本を学んだ。
7日に開かれた研修会では、A3サイズのポスターでコンパクトに伝えるため、高知新聞で広告制作の経験がある社員に指導を受けた。
いのぐ記者の多くは、友人や家族に「本気で対策している人が少ない」と自らの学びを伝えられていないことを危惧。油断が不幸な結果を生むことを被災者から伝えられていただけに、事前に避難場所を考えることを促す標語作りに苦心していた。
1年生からいのぐ記者を続ける高知市の高知中2年、増田光祥さんは21年度も活動する予定。「研修会を通じてリアルな被災地の情報も知った。この2年間で自分の命を守れる自信がついた。次は高知県にどんな復興計画があるのか知りたい」と意気込みを語った。
2021年度の研修会は5月からスタートする。(新田祐也)