2021.03.03 08:00

小社会 コロナ下の卒業

 愛読している短歌雑誌に、こんな歌を見つけた。〈卒業生最後の一人が門を出て二歩バックしてまた出ていった〉千葉聡。思い出の詰まった学びや。後ろ髪を引かれるけれど、意を決して一歩を踏み出していく…。

 教え子の揺れる思いを、そっと見守る先生の温かなまなざしがある。この春の卒業生たちはいつもの年にも増して、立ち去りがたい思いを募らせているのではないだろうか。コロナ下で過ごした最終学年。思い描いた通りの学園生活を送ることはできなかったに違いない。

 ちょうど1年前の今ごろ、当時の首相の要請で全国の小中高校などで一斉休校が始まった。自宅学習が続き友達とも気安く会えない。学校再開後も学年や学級別に分散登校。給食は前を向いて黙って食べる「黙食」に。

 県内公立高の卒業式。在校生の姿はなく校歌さえ合唱できなかった学校も。それでも一人一人の努力と工夫で学校生活を全うしたことは胸を張っていい。教師や保護者らがずっと見守り、支えてくれたことにも気づいただろう。

 〈冬よ/僕に来い、僕に来い/僕は冬の力、冬は僕の餌食だ〉。高村光太郎の詩「冬が来た」の一節。あえて困難に挑みかかりたいと思うことが若い時にはあると詩人は書く。そうして得たものはきっと自らの血肉となろう。

 たとえ「二歩バック」を強いられても前に進むことはできる。コロナの時代の若者にやってのけてもらいたい。


3月3日のこよみ。
旧暦の1月20日に当たります。かのえ いぬ 二黒 友引。
日の出は6時32分、日の入りは18時04分。
月の出は22時29分、月の入りは9時00分、月齢は19.3です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時25分、潮位18センチと、14時47分、潮位18センチです。
満潮は8時31分、潮位168センチと、21時03分、潮位157センチです。

3月4日のこよみ。
旧暦の1月21日に当たります。かのと ゐ 三碧 先負。
日の出は6時31分、日の入りは18時05分。
月の出は23時39分、月の入りは9時37分、月齢は20.3です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で3時00分、潮位39センチと、15時33分、潮位20センチです。
満潮は9時01分、潮位161センチと、21時59分、潮位141センチです。

カテゴリー: コラム

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