バナメイエビを完全養殖、父の技継承 大月町の企業がクラウドファンディング

ふ化して約3カ月の稚エビ(大月町橘浦)
「過疎地再生につながる」高知県幡多郡大月町に、食用として広く流通するバナメイエビのふ化技術を独自に確立した企業がある。ただ種苗の販路開拓には苦戦。高齢の社長から事業を受け継ぐことを決意した息子が、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。
町内の入り江に面した「新沿岸陸上養殖」(佐々倉鉄夫社長)の倉庫群。内部には直径約4メートルの円形水槽が計10基以上あり、いずれも、透明な稚エビの群れが跳ねるように泳いでいた。
81歳の佐々倉社長が「試行錯誤のたまものよ」と頬を緩める。福岡市出身で、1967年に妻の実家のブリ養殖を手伝い始めた。以来マダイなども育て、18年前からはバナメイエビ養殖を手掛ける。
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