2021.02.18 08:00

【県当初予算案】「攻め」の発信と成果を

 高知県が2021年度の当初予算案を発表した。
 一般会計は前年度比0・1%増の4634億円。政府の手厚い予算措置を背景に、防災・減災のハード事業を盛り込んだ2020年度2月補正予算案と合わせて積極型を維持した。
 就任2年目に入った浜田省司知事は昨年、新型コロナウイルス対応に明け暮れた「守りの年」を余儀なくされた。ことしは「成果につなげる『攻め』に転じる重要な1年」と位置付けている。
 知事は2021年度予算案で初めて原案段階から編成に関わった。本来ならもっと「浜田色」が明確になるべき時期だろう。ただ、長期化するコロナ禍の不確実性がなお重くのしかかっているように映る。
 昨年12月からの営業時間短縮要請に応じた飲食店などへの協力金や、売上高が落ち込んだ事業者への給付金などに加え、2月補正では雇用維持の観点から規模が大きい事業者への給付金を新設する。
 当初予算案でも、医療機関への支援やワクチン接種に関する相談態勢の整備などに140億円を措置。「コロナ後」を見据え、新たな商品開発支援などの予算も盛り込んでいる。
 感染の「第3波」は落ち着きつつあるとはいえ、収束はまだ見通せない。まずは再流行への医療面の備えと、県民の生活を守り、経済回復に向けて県内の経済基盤のダメージを最小限に食い止める対策に万全を期してもらいたい。
 浜田県政が「攻め」に転じた二大看板は、デジタル化と脱炭素(グリーン化)だという。
 いずれも菅政権が掲げている看板政策だ。国に追随した印象も否めないが、浜田知事は「県勢浮揚に不可欠だ」と強調している。
 デジタル化では、1次産業などで先駆的に行ってきた取り組みを幅広い分野に広げていく。グリーン化では森林整備や木材需要の喚起を図るほか、環境に配慮した企業活動の支援を強化。2021年度にはアクションプランを策定する。
 こうした取り組みをどう県勢浮揚に結びつけていくのか。県民の共感を得るためにも、積極的な情報発信や成果の具体化が欠かせまい。
 浜田知事は2021年度も、尾﨑前県政の「五つの基本政策」と「三つの横断的政策」の枠組みを継続した。
 ただ、重点化したデジタル化や脱炭素を含め各政策にまたがるテーマは増えている。コロナ後の県の将来像を描く作業は前県政時にはなかった重い課題だ。継承した枠組みだけにこだわらず、その姿を提示することも「浜田色」につながろう。
 県人口は昨秋、69万人を割り込んだ。移住促進や、知事が掲げる「関西戦略」もコロナ禍をにらんだ工夫がなお必要だろう。先日の福島県沖を震源とする地震をみても、南海トラフ地震対策はコロナ対策を加えた一層の強化が求められる。
 コロナ禍に伴う社会変革の兆しも踏まえ、高知の持続と発展をどう描くのか。近く始まる県議会2月定例会でも活発な議論を望む。

カテゴリー: 社説

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