2021.02.16 05:00

【東北震度6強】見せつけた余震の恐怖

 東日本大震災から10年を迎えようとする東北などを13日夜、再び大きな揺れが襲った。福島、宮城両県で最大震度6強を記録した。地震は北海道から中国地方の広い範囲で観測された。
 その後も震度4程度の地震が続いている。これまでのまとめでは、広域で150人を超える負傷者がでている。住宅被害もあり、避難所に身を寄せる人も多い。交通や産業への影響も見られる。
 今後1週間は震度6強程度の地震に注意が必要という。また地域によっては大雨になる恐れがあり、土砂崩れへの警戒も必要だ。
 新型コロナウイルス感染症対策も怠れない中での災害であり、安全を最優先に生活再建への取り組みを進めたい。
 気象庁によると、震源地は福島県沖で震源の深さは約55キロ、地震の規模はマグニチュード(M)7・3と推定される。東北の太平洋沖を震源とする最大震度6強の地震は2011年4月以来となる。
 今回の一連の地震は、大震災の余震とみられている。本震からの1年でM4・0以上の余震は5千回を超えた。年月の経過に伴い減ってきてはいるものの、震災前の水準にはまだ戻っていない。
 地殻を大きく動かした巨大地震だったため、6強規模の余震活動はありうるという。間もなく震災から10年となろうとしている今も余震と位置付けられるのには驚きであり、それだけに警戒は長く緩めることができないことを見せつけた。
 発生直後に津波を恐れて高台に避難した人もいたようだ。震源が深く津波は起きなかったとはいえ、すぐに避難行動をとるという教訓を生かす姿勢は大切だ。
 今回の地震では断水が続く地域があり、給水作業も行われている。被災状況の把握を通し、生活再建への的確な支援へつなげたい。
 経済活動への影響もでている。設備や製品の被害で、工場の稼働停止や小売店舗の一時休業などが行われている。飲食店には新型コロナ対策で営業を制約された上に地震の被害を受けた店もある。複合的な支援策が望まれる。
 東北新幹線は架線を支える電柱が折れたりしたことで、全線運転再開には10日ほどかかるという。常磐自動車道で道路脇の斜面が崩れたりしている。交通網の遮断は復旧活動や市民生活にも影響が大きい。再開を急ぐとともに、防災面の取り組みを検証する必要がある。
 受験の時期でもある。被災地域の受験生の入試機会を確保するよう、文部科学省は各大学へ要請した。受験生に寄り添うことは欠かせない。
 高知も南海トラフ地震への備えを怠れない。家屋の内外の確認など、減災へ向けた取り組みを再確認する必要がある。被災直後への想定はもちろん、その後の対応にも思いを巡らせておく必要がある。
 余震は長い年月続くことを知らされた。長期戦となることを見通して対策を講じたい。

カテゴリー: 社説

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