2021.02.08 08:37

ただ今修業中 ゴルフショップ店長・梶美佐さん(47)高知市

「さまざまな意味で、高知のゴルフ界を元気にしていきたい」と意気込む梶美佐さん(高知市梅ノ辻)
「さまざまな意味で、高知のゴルフ界を元気にしていきたい」と意気込む梶美佐さん(高知市梅ノ辻)
恩人たちに恵まれて
 ずらりとドライバーやパターなどゴルフ用具が並ぶ「ゴルフパートナー梅ノ辻店」。目移りしそうな中、店長として、顧客のクラブ選びに親身になって対応する。自身も高知県内アマチュア大会で上位に入るゴルファーだ。

 かつてはプロも目指す腕前だったが、一時期、ゴルフから離れた生活を送っていた。しかし、競技をきっかけに広がった人間関係から、再び、このスポーツにどっぷりとはまっている。就任2年目の“新米店長”は、「ゴルフの魅力をもっと広めたい」。熱い思いを胸に秘め、店頭に立つ。

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 小津高校卒業まで、ゴルフとは全く無縁だった。「とにかく、都会に出たかった」と、東京港区の東京プリンスホテルに就職し、ホテル内の和食店で接客を担当。そこで女子プロゴルファーの岡本綾子さんと出会う。高校時代、ともにソフトボールをしていたことなどが縁で話が弾んだ。着物の上から腕を触られ、「あなた、職業間違えたんじゃない」と言われたのをきっかけにゴルフを始め、「私の(ゴルフの)プロテスト合格は23歳の時。あなたはまだ3年の時間があるわよ」の言葉に心を動かされ、プロを目指すことになった。

 店の常連では、作家の故小池一夫さんにもかわいがられた。小池さんの紹介で飲料メーカー、伊藤園が関わる千葉県のグレートアイランドGCで研修生となり、プロを目指した。しかし、プロテストは狭き門。「これが最後」と決めて29歳で受けた試験も、最終日にスコアを落として突破はならず。その後、高知に帰り、県内のゴルフ場に勤めたこともあったが、結婚などを機にコースから遠ざかるようになった。

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 県内の旅館や自治体の関係団体で、食品関連の仕事などに携わった。3年前、ふとしたきっかけでゴルフ好きの関係者に誘われ、ラウンドに。そして、「せっかく、クラブを握ったのだから」と思い立ち、大会にエントリー。そこで同組となった人から、ゴルフ店の開店準備を知らされる。ゴルフ談義に花を咲かせるうち、気付けば店長を任されることになっていた。

 梅ノ辻店は一昨年5月にオープン。「チェーンは県内に進出したばかり。他のゴルフ店に比べたら、まだまだ知名度が低い。もっと、自分たちのことを知ってもらわなければ」と日々の接客に励む。梅ノ辻店は熟練ゴルファーだけでなく、初心者も受け入れる品ぞろえとなっており、客とのコミュニケーションが何より重要となる。武器になるのは丁寧な人付き合い。それはプロを目指した下積み時代に育まれた。

 研修生時代、世話になった伊藤園の元会長、故本庄正則さんとは、何度もラウンドを共にした。それはゴルフよりも人生勉強の場だった。一代で会社を国内トップクラスの飲料メーカーに育て上げた本庄さんからは、ティーグランドに立つ時の礼儀など、人と接する心構えを徹底的に教え込まれた。「強さ以外に大切なことを知ることができた。本当に恩人です」。ゴルフコースで学んだ教えも、店の成長に役立てようとしている。

好きな言葉
好きな言葉
 岡本さんや小池さんから始まった人の縁で、多くのことを学ぶ日々に「ゴルフは私の財産」と実感する。3月に高知県で開催される「明治安田生命レディス」で岡本さんが高知に来たら、あいさつしたいと考えている。「直接、新天地での話をしたいんです」。感謝の思いを伝えるつもりだ。

 写真・久保俊典
 文 ・吉川博之

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