2016.02.24 15:13

【高2の政治意識】主権者教育は大人の責務

 間もなく主権者になる高校生の多くが政治に無関心なことは、深刻に受け止めたい。

 6月から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるのを前に、高知新聞社が県内の高校2年生を対象にアンケートを実施したところ、政治に関心がない生徒が半数に近い48・5%おり、関心がある生徒(41・3%)を上回った。

 関心がない理由(複数回答)は、「難しそうだから」が最多の69・7%を占めた。「他のことに興味がある」(30・3%)「ニュースに触れる機会が少ない」(22・6%)「大人に任せればいい」(16・3%)も気になる数字だ。

 調査は、県内46校を対象に各校の協力を得て行い、計1305人から回答を得た。

 感じられるのは生徒たちの政治への距離だ。日本の子どもたちがこれまで、政治を学ぶ機会に乏しかった証しでもあるだろう。

 政治は未来の社会づくりである。多様な意見で対立する教育や福祉、安全保障も生徒たちの将来に影響する重要なテーマだ。少子高齢化も急速に進んでおり、積極的に政治参加していってほしい。

 しかし、政治参加を促すには、単に選挙権年齢を引き下げるのではなく、主権者教育が不可欠であることをアンケートは示している。

 それは大人の責務である。もちろん、大人が自らの政治的価値観を押し付けるのは主権者教育ではあるまい。生徒が自ら考え、知識を深める場を提供していくべきだろう。

 親子で時事問題を議論したり、学校で討議したりする環境を整えていきたい。アンケートでも、関心を持つための方法について「授業で学ぶ機会を増やす」がトップだった。

 文部科学省はこれまで、高校生の政治活動を一律に禁じてきたが、昨年、限定的に容認する通知を都道府県教委に出している。政治から距離を取ってきた学校現場も教育への手腕が問われる。

 ただし、県外では、教育内容をめぐって地方議会で取り沙汰されるなど学校現場が萎縮しかねない動きも出ている。教員には当然、公平性や中立性が求められるが、外部からの干渉がない教育環境の確保を重ねて求めたい。

 生徒たちは、政治に距離を感じつつも、選挙に全く無関心というわけではない。

 アンケートでは6割以上の生徒が選挙権があれば投票に行くと答えている。「消費税などの税制や経済、雇用」「犯罪やテロなどの治安対策」「いじめなどの学校や教育」などに関心があることも分かった。

 安保法制論議では、大学生や高校生が各地でデモや集会に参加するなどして声を上げ、既存の有権者に多くの刺激を与えた。

 18歳選挙権により全国の有権者は約240万人増えるという。全有権者の2%程度だが、18歳選挙権を社会全体で主権者意識、政治参加を高めるきっかけにしたい。
カテゴリー: 社説


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