2021.01.21 08:39

高知県内「紙」企業が衛生で商機 抗菌・抗ウイルス製品続々

保湿ティッシュの製法を生かしたペーパータオルなど(高知市下島町の河野製紙)
保湿ティッシュの製法を生かしたペーパータオルなど(高知市下島町の河野製紙)
コロナ下で伝統産業が進化
 高知県の伝統産業である「紙」周りの企業が、時流に合わせ「抗ウイルス」や「抗菌」をうたう商品を売り出した。大手メーカーの薬剤を自社のノウハウに組み込み、新型コロナウイルス下で商機を探っている。

 河野製紙(高知市)は昨年12月のウエットティッシュに続き、1月21日からペーパータオルとポケットティッシュを発売する。いずれもウイルスや細菌の働きを抑える薬剤を製紙工程で配合したり、染みこませたりした。

 河野製紙の主力は鼻をかんでも肌荒れしにくい保湿ティッシュ。皆がマスクをし始めた昨春から花粉症や鼻風邪に悩む人の需要が減り、外国人の“爆買い”も消滅していた。

 新商品には独自に培ってきた保湿成分の配合も生かし、ふっくら柔らかく仕上げた。河野晃久常務は「うちのペーパータオルなら鼻もかめる。新しい購入層にアプローチするチャンス」と意気込む。

遠方からも引き合いがあるニヨド印刷の抗菌グッズ(いの町)
遠方からも引き合いがあるニヨド印刷の抗菌グッズ(いの町)
 ニヨド印刷(吾川郡いの町)も、マスクケースや抗菌作用のあるヒノキを表紙にしたノートなど、ラインアップを充実させる。

 2018年から自社製品強化のため、リングノートなどを作る製本機を3種導入。ウェブサイトも製造工程の動画や価格表を載せるなど充実させ、今では東京、大阪の閲覧が7割を占める。

 御庄康隆社長は「北海道からマスクケース1万枚とか、遠方から注文も来る。距離よりも、情報発信と細やかな対応力で差がつく」と手応えをつかむ。

 印刷業界は新型コロナ下のイベント自粛の影響を受け、チラシやパンフレット、企業のPR冊子から婚礼の招待状まで需要が減少。抗菌性のあるニスで飲食店のメニュー表などをコーティングするサービス導入が進む。

 本山印刷(高知市)は昨年7月の県立足摺海洋館「SATOUMI」オープンの際、県が入場者に配ったくろしおくんのうちわを抗菌ニスで仕上げた。本山珠里取締役は「コロナ需要に乗っかるだけでなく、収束後に印刷屋が何ができるかを今から考える」。

 高知新聞総合印刷(高知市)は抗菌剤を練り込んだ名刺を売り出し中。「少し高価になるが、需要はあると思う」としている。(竹内悠理菜)

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