2021.01.13 08:39

高知県の製造業にコロナ需要  「新しい生活様式」で受注増

飛ぶように売れている紙せっけん(日高村のヘイワ原紙)
飛ぶように売れている紙せっけん(日高村のヘイワ原紙)
紙せっけん・包丁・包装機械…
 新型コロナウイルスの感染拡大で、高知県内のメーカーではマスクや消毒液以外にも、突然売れ行きを伸ばした製品がある。こまめな手洗いや、巣ごもりでの料理など、「新しい生活様式」で生まれた需要がコロナ禍の苦境を救う格好に。各社は「諦めずに作ってきてよかった」と増産に励む。

 ヘイワ原紙(高岡郡日高村沖名)は昨春から「紙石鹸(せっけん)」が人気に。せっけんを含ませた水溶性の紙で、外出先に持ち歩ける便利さが受け、注文が押し寄せている。

 ヘイワ原紙の主力は大手化粧品メーカーから受注した、あぶらとり紙など。ところが、昨春以降は老若男女を問わずマスクを着用。化粧直しの回数も減ったことで、「化粧品関連は注文が一時ゼロになった」という。

 一方、これまで「2年に1度ぐらい」だった紙せっけんへの問い合わせが、昨年4月からは連日届くように。販売数も、年間数十個から月数万個に激増した。マスク着用の常態化に伴い、曇り止め剤を含ませた「めがね拭き」も売れており、昨年の売上高は前年の9割で踏ん張った。

 山岡大祐社長は「やめろうかと思いよった製品に助けられた。求められたら何でもやるスタンスでいろいろ作ってきた。それがよかった」と胸をなで下ろす。

新型コロナ下の巣ごもり需要で受注が急増した包丁(香美市の穂岐山刃物)
新型コロナ下の巣ごもり需要で受注が急増した包丁(香美市の穂岐山刃物)
 巣ごもり需要で、穂岐山刃物(香美市土佐山田町栄町)は包丁の売り上げを伸ばした。

 昨年7~9月は外食産業向けが打撃を受け前年を下回ったが、10月以降は前年比で10%増。特に欧米向けの売り上げは2倍となった。「自宅での料理に加え、クリスマスのプレゼント需要も重なった」と分析する。

 今春新たに、穂岐山刃物で最大規模となる11シリーズ計約120モデルを投入する。穂岐山信介社長は「常に新製品で顧客を引き付けるため、〝通好み〟路線のモデルを増やす」と意気込む。

 巣ごもりで各種通販サイトも好調だ。この影響で機械メーカーの栄光工業(南国市廿枝)は、物流会社で使われる荷物の仕分け用機械などの受注額が、前年比で3割増えた。中山博之社長は「創業当初から取引先の業種を分散させてきた戦略が当たった」と話す。

 包装機械メーカーの三恵(高知市南竹島町)では、フィルムの端に熱を加えて包む「ピロー包装機」の売り上げが前年の5倍となった。マスクやウエットティッシュに加え、「おうち時間」を楽しむためのせんべいやチョコレートなど、ジャンルを問わず個包装の商品が売れているためだ。

 海外渡航制限で主要取引先の輸出品の売り上げが厳しくなる中、コロナ流行前から開拓してきた国内の新規取引先から大量に受注している。谷江裕典社長は「コロナ下で基本は大変。やけど、なんとかやれている」と笑顔だ。

 県内製造業の基本は多品種小ロット。生活様式が変わっても、しなやかに、しぶとく需要を受け込んでいる。(竹内悠理菜)

カテゴリー: 高知のニュース香長高知中央

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