2021.01.12 08:40

ほっこり味めぐり(6) 唐揚げ弁当  ひろこ食堂(高知市弘化台)

唐揚げ弁当を持ってかわいらしい笑顔を見せる横山百合子さん
唐揚げ弁当を持ってかわいらしい笑顔を見せる横山百合子さん
シンプル イズ ベスト
 夜明け前から威勢のいい声が響く、高知市弘化台の市卸売市場。〝高知の台所〟の店舗棟で最も長い歴史があるのが、こちらの「ひろこ食堂」だ。

 しょうが焼き、チキン南蛮、ラーメン…。ずらり並ぶメニューの中で、1番人気は唐揚げ弁当。外はかりっと、中はじゅわっと。ボリュームたっぷりで価格もお手頃な500円のワンコイン。長きにわたり仲買人らの胃袋を満たしている。

高知市卸売市場で50年営業を続ける「ひろこ食堂」
高知市卸売市場で50年営業を続ける「ひろこ食堂」
 切り盛りするのは横山百合子さん(85)。店名がお名前と違うのは「市場が九反田にあったころに『ひろこさん』がやってた店だから」。横山さんの父は水産会社を営み、市場と「ひろこ食堂」に通っていた。その縁もあり、市場が弘化台に移転した後の1970年に店を継いだという。

 横山さんは毎日、市場で働く夫と一緒に午前4時すぎに出勤。翌日の仕込みを済ませ、午後10時すぎに帰宅する生活を続けてきた。「市場の人はみんな、私のことを『お母ちゃん』と呼んでくれる」とうれしそうだ。

 唐揚げのレシピは至ってシンプル。鶏のもも肉に塩こしょうをまぶし、ニンニクやショウガをすり込んで一晩寝かせる。お客さんいわく、「特別ってわけじゃない。至って普通の味」。だから常連客は飽きることなく、食べ続けている。

 今は、店に立つことはめっきり減ったという横山さん。それでも「店が生きがい。元気に続けたい」。きょうも市場の人々に元気の源を届ける。(報道部・乙井康弘)

  【メモ】定休日は水、日曜日と祝日。営業時間は午前5時~午後2時。電話088・883・9881。弘化台12の12。 

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