塩田暉郎さんが半世紀前に造ったハウス養鰻の池。今でも現役だ(高知市春野町森山)
「高知の養鰻(ようまん)じゃあ、わしが一番おじいかのう」
高知市春野町森山の自宅横にある養殖池を訪ねると、塩田暉郎(きろう)さんが「がはは」と笑って迎えてくれた。
御年84歳。春野の小さなビニールハウスから日本の養鰻の歴史を変えた人物と言っていい。
トマト農家だった塩田さんがウナギに目を付けたのは、県内がシラスウナギの「ゴールドラッシュ」に沸いた1970年。土建業の友人とコンクリートで固めた露地の池を造り、2月にシラスを入れてみた。
が、「1週間もせんうちに病気になった。全滅よ」。...