2021.01.08 08:22

高知県内 公職コロナ感染公表は?【なるほど!こうち取材班】

高知市議会の感染対応マニュアルと議場のコラージュ。議員の感染が分かった時は…(岡崎紗和作成)
高知市議会の感染対応マニュアルと議場のコラージュ。議員の感染が分かった時は…(岡崎紗和作成)
議会「基準あり」4市町村 首長は全て公表方針
 昨年12月、高知県幡多郡三原村の村議が新型コロナウイルスに感染した際、職業が「無職」と発表され、「議員は発表しないのか」「隠蔽(いんぺい)体質の表れではないか」などの声が「なるほど! こうち取材班」に届いた。多数の人と接する地方議員、首長ら公職にある人が感染した場合、県内自治体はどう対応するのか。

 昨年末の三原村のケースは当初、県が村議を「無職」と発表。村議はその後の取材に対し「(県に)議員であることは伝えたが、他に仕事をしておらず、『無職でもいい』と言われた」とし、氏名公表を避けた理由は「誹謗(ひぼう)中傷など影響を考慮した」と説明した。村、村議会には感染時の公表を巡る基準がなかった。

■県議は氏名も
 公職者が感染した場合、国会は感染者の氏名を一律的に公表。高知県議会も「議員は公職で多くの県民と接する機会がある」として、氏名の公表を申し合わせている。

 一方、市町村は濃淡あり、高知新聞が昨年12月、県内34市町村に議員が感染した場合の対応を聞いたところ、公表基準(申し合わせなど含む)があるのは、高知市、土佐清水市、安芸郡馬路村、高岡郡四万十町の4市町村にとどまった。

 4市町村のうち、土佐清水市は感染者が出た事実だけでなく、年代や性別まで公表する方針。馬路村は「注意喚起とともに、事実を隠したという疑念を抱かれないためにも公表する」とした。

 残る市町村も必ずしも後ろ向きではなく、「町議の感染を公表しないという考えはない」(幡多郡黒潮町)、「県の発表を通じて議員であることを伝えてもらう」(土佐郡大川村)とする自治体も。17市町村は基準作りを「検討する」という。

 ただ、個人の特定につながる年代、性別を公表するのは土佐清水市のみ。県中部の自治体の議会事務局は「確かに公職だが、議員の職責とプライバシー保護のバランスから、そこまでは必要ないのでは」と指摘した。

■濃厚接触は?
 同じ公職でも、責任と権限が格段に大きいのが首長。感染すれば少なくとも数週間、役場はトップ不在を余儀なくされる。

 高知新聞は、首長と職員についても感染が判明した場合の対応を質問。首長は、県と17市町村が基準を設けており、いずれも氏名を公表するとした。また、基準がない17市町村もおおむね公表する方針を示した。

 一方、濃厚接触者になった段階で公表するとした自治体は県と須崎市、宿毛市、室戸市だけだった。

 三原村の田野正利村長は昨年12月に濃厚接触者となり、この時は自宅待機を始めて3日後に、高知新聞の取材を通して明らかにした。直後の村議会では「公表の遅れは公の長として初動ミスだった」と反省した。

 職員が感染した時は、ほとんどの自治体が「感染者が出たこと」は公表する方針。所属部署や年代、性別など具体的な情報について、県中部の自治体は「感染した職員が住民とどれだけ接触があったかなど、感染拡大のリスクに応じて判断する」とした。

 県西部のある議員は「小さな市町村では発表が匿名でも個人が特定される恐れはあるが、公職である以上、一定の情報は公表されてしかるべきだ。誹謗中傷は社会全体でなくしていかなければならず、それを恐れて公表しないのはおかしい」と強調した。(高知新聞取材班)

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