2021.01.06 08:39

ガタゴト「どら猫鉄道」 園児乗せ27年 土佐清水市こどもの国

園児たちを乗せて走るトロッコ (土佐清水市浦尻)
園児たちを乗せて走るトロッコ (土佐清水市浦尻)
 約27年前、しみず幼稚園(土佐清水市グリーンハイツ)が高知県土佐清水市浦尻の山林に造ったミニ鉄道「どら猫鉄道」が、今なお親しまれている。機関車は動かなくなったものの、園児は手押しのトロッコに乗り込んで大はしゃぎ。夢の鉄道は子どもたちの笑顔を乗せて、今日もガタゴトと走っている。

山の斜面を利用した遊具を楽しむ園児(土佐清水市浦尻)
山の斜面を利用した遊具を楽しむ園児(土佐清水市浦尻)
 しみず幼稚園は1991年に園近くの山林を購入し、約3ヘクタールに子どもが自由に遊べる広場「こどもの国」を造成。整備案を練る中で、たまたま現地を訪れた大学教授から「周囲に汽車を走らせては」と提案された。

 「鉄道のない町に鉄道を」を合言葉に、賛同者や保護者、園の職員らが尽力。その頃に廃線された岡山県の私鉄、片上鉄道からレールや枕木などを無料で譲り受けたほか、古いコンバインを機関車に改造してトロッコを連結し、車両を造った。

 開通は1994年。片上鉄道の職員が駆け付けて安全点検を行ったという。当初200メートルだった路線は延伸され、一時は約300メートルの〝旅〟が可能になった。終点は山のてっぺん。しみず幼稚園の理事長・園長、西村光一郎さん(80)は「そこからは〝銀河鉄道〟。空へ飛び立つとの思いを込めた」と、笑いながら振り返る。

 年月が過ぎ、機関車はエンジンが壊れて動かなくなった。今は、子どもが5人ほど乗れる1両のトロッコを手で押して発進させ、100メートルほど走るのみ。それでも子どもたちは、本物のレール上を駆けるトロッコに目を輝かせ、スピードが出ると「キャ~」と楽しそうに歓声を上げる。

 「子どもたちに夢を、と思って造ったが、むしろ造った大人が夢見る集団だった」と西村さん。こどもの国では他にも、斜面のワイヤを滑車で滑り降りる遊具が大人気だ。「こどもの国をもっと発展させたい。でも、全部やろうと思ったら、人生が足りん」。そう笑顔で話していた。(山崎彩加)

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