2021.01.01 08:15

ともに歴史を紡ぐ-新紙面発行に当たって 高知新聞社長・中平雅彦

 「誰でも情報を簡単に発信できる時代がきた」と言われて何年が過ぎたでしょう。インターネットは私たちの生活に深く根付き、情報をめぐる環境は一変しました。
 
 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いています。インターネットは、世界の感染動向や最新の医療研究などを知る上で欠かせない一方、デマや誹謗(ひぼう)中傷の媒体にもなります。使い手、使い方次第で有益な道具になれば凶器にもなります。
 
 あふれかえる情報、立ち止まることを許さない情報の洪水に疲れたとき、新聞をめくってみてください。詩集「やまもも」に躍る子どもたちの飾らない詩に頬が緩み、「あけぼの」欄に凝縮された人生の哀歓に涙を誘われます。
 
 少子高齢化に歯止めがかからず、県人口は69万人を割りました。日本社会の課題が「負の縮図」としていち早く表れる課題先行県です。だからこそ、高知の挑戦は全国の道しるべになると信じて報道しています。
 
 ただ、課題解決の特効薬を示す力を私は持ち合わせていません。しかし県民・読者の皆さんに郷土の今を伝え、ともに考え、行動する。その一端を担う新聞でありたいと思っています。
 
 人口縮小時代にあっても、持続可能な地域社会の構築に向け、県民とともに汗して歩む。それが地元紙の責務であると肝に銘じています。
 
 新聞記事の基本は、日々の出来事を伝える「歴史の記録者」としての役割とも言われます。次の世代が郷土の歩みを振り返るとき、県民が懸命に生きた証し、息遣いが伝わる新聞を、皆さんとともに紡いでいきたい。そう願っています。
 
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 あけましておめでとうございます。
 
 高知新聞は創刊117年を迎える今年から朝刊のみの発行になります。「断然 地だね主義」を合言葉に、高知の新鮮な情報をお届けします。今後ともご愛読よろしくお願いいたします。

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