2020.11.24 08:36

高知県内市町村の広報誌に変化 堅さ脱却 読まれる工夫

県内市町村の広報誌の数々。手に取ってもらうために、ビジュアルや企画などに工夫を凝らす
県内市町村の広報誌の数々。手に取ってもらうために、ビジュアルや企画などに工夫を凝らす
制約は人員・予算
 目を引く写真に大見出し、コラム、4こま漫画、プレゼント企画…。まるで雑誌の紹介だが、これらは全て高知県内の市町村が発行する広報誌に掲載されているものだ。予算の概要や健康診断の案内などが詰め込まれた「お堅い」イメージから徐々に脱却。住民の興味を引く特集などをカラフルに展開し「手に取ってもらえる広報誌」へと様変わりしつつある。

市民の委員も交え、誌面の企画や掲載内容を話し合う香南市の広報編集会議(香南市役所)
市民の委員も交え、誌面の企画や掲載内容を話し合う香南市の広報編集会議(香南市役所)
 県内の広報誌は、25市町村が毎月、安芸郡東洋町や幡多郡大月町など7町村が隔月で発行。土佐郡土佐町は年5回、大川村は年4回だ。

 このうち8、9月の発行分では、15誌が独自の企画を掲載。香美市の「広報香美」9月号は、巻頭から8ページにわたって「『空き家』を考える」と題した特集を展開し、表やQ&Aも交えて倒壊や火災などへの影響などを説明。空き家バンク登録者や賃借人のインタビューも掲載し、実情を詳しく伝えている。

 高岡郡四万十町の「四万十町通信」8月号は、防災グッズの写真が浮かび上がるような黒地の表紙に「生死の分かれ道」との大見出しで、豪雨災害への備えを特集。過去の土砂崩れ写真も多数掲載し「これまでの経験はもう通用しない」と強く訴え掛けた。

 今の時代、ウェブサイトや会員制交流サイト(SNS)といったツールも駆使して情報発信に努める各市町村。それでも広報誌という旧来の媒体に重きを置く理由は、情報の届き方にある。

 「ウェブサイトやSNSはユーザーが情報を取りに行くメディア。興味がなければアクセスされず情報は届かない」。全国広報コンクールの審査員を務め、行政広報に詳しい東海大学の河井孝仁教授(62)=情報科学=はそう話す。「でも行政は、居住地の住民全員に、必要な情報を伝えないといけない。その意味で最も有効なのは、今も全戸配布する広報誌」

 ただ、届けた先で読まれるかは住民次第。興味を持ってもらおうと工夫を凝らす、県内広報誌事情を探った。...

この記事の続きをご覧になるには登録もしくはログインが必要です。


カテゴリー: 高知のニュース

ページトップへ