2020.11.20 08:39

認知症カフェ高知県で100突破 専門職と家族・住民も交流

「えいとカフェ」で交流する参加者ら(2019年12月、高知市中須賀町)
「えいとカフェ」で交流する参加者ら(2019年12月、高知市中須賀町)
 認知症の人やその家族、地域住民らが交流し、福祉の専門職とつながりが持てる「認知症カフェ」が県内で100カ所を突破した。2013年に高知市で初めて開設され、24市町村に広がった。今年は新型コロナウイルスの影響で活動を制限しているカフェも多いが、認知症になっても暮らしやすい地域を目指す取り組みが広がっている。

 高知市中須賀町の民家で月に1回開かれている「えいとカフェ」は、県内第1号の認知症カフェだ。11月は10人ほどが集まり、来年の干支(えと)である牛のちぎり絵を楽しんだ。「これはもう貼ってえいが?」「どんどん作品に愛着が湧いてきたね」。マスク越しに和やかな会話が弾む。

 2013年に「認知症の人や家族同士の交流の場をつくろう」と発足。運営には高齢者支援センターや社会福祉協議会の職員、ケアマネジャー、民生委員らが関わる。認知症でない人も参加でき、日常生活や介護の悩みなどを気軽に相談できる。

 新型コロナの影響で一時休止していたが、換気や検温、消毒などを徹底し、7月から再開した。3年前から通う女性(79)は「職員さんが明るくて元気で、毎月来るのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 運営に当たる社会福祉士の三橋満美(まみ)さんは「初めて来た人でも必ず全員に声を掛けます。アットホームな雰囲気で安心して過ごしてもらえれば」と話す。

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 認知症カフェはヨーロッパで始まり、厚生労働省も2012年から推進。2018年度時点で全国に約7千カ所が開設されている。

 県内では2018年に50カ所を超え、今年8月に100カ所に達した。高知県によると、四国では最も多い。設置主体は自治体、介護事業所、住民団体など。福祉施設や公民館、個人宅、量販店などが会場だ。

 24カ所が開設されている高知市の担当者によると、認知症カフェは、認知症の人が安心して集える▽家族ら介護者の相談に対応できる▽地域住民らが認知症について学べる―などの理由から、高齢化が進む地域で開設が増えているという。

 開催頻度は月に1回程度が多く、利用料は無料~数百円。参加者同士で話をするほか、体操やレクリエーション、専門家を招いた勉強会なども行う。

 ただ、新型コロナの影響で活動を制限しているカフェも多い。高知市では、高齢者施設や病院などのカフェは感染対策のため多くが再開できていない。

 高知市鏡地域の「かがみ笑顔カフェ」は、おやつ作りなどの予定を変更しながら開催している。11月は腸の健康について管理栄養士から話を聞いた。

 毎回欠かさず参加している男性(80)は「家でおって何もせんかったら、すぐにぼける。ここで知り合いも増えたし、話をして認知症の予防になる」と話していた。

11月22日に講演会
 高知県と高知市は22日午前10時から、認知症カフェに関する講演会を高知市の県民文化ホールで開く。認知症介護研究・研修仙台センターの矢吹知之さんが「地域を変える認知症カフェ」と題して話す。定員250人。無料。事前申込制だが、当日受け付けも可。問い合わせは市基幹型地域包括支援センター(088・823・9121)へ。(山本仁)

カテゴリー: 社会

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