2020.11.18 08:40

「塩たたきにはこれ」 中土佐町の完全天日塩が好評

「納得いくまで作り直す。塩は芸術品」と話す小川心平さん(中土佐町久礼)
「納得いくまで作り直す。塩は芸術品」と話す小川心平さん(中土佐町久礼)
地元男性が試行錯誤6年
 高知県高岡郡中土佐町久礼で、中土佐町出身の男性が完全天日塩作りに励んでいる。製造開始から6年、試行錯誤を経て品質とともに知名度も向上中。「カツオの塩たたきにはこれ」と口コミで町内外からの引き合いが増え、手応えを感じている。

 中土佐町上ノ加江の小川心平さん(30)。愛知県の大学を卒業後、町で作れるもので都会で勝負したいと起業を志し、原材料が海水だけの塩に着目した。

 幡多郡黒潮町の製塩工房で2年間学んだ後、中土佐町所有の旧ゴカイ養殖場を借りて2015年から塩作りをスタート。海水の濃縮法などに1年余り苦心し、2016年から「土佐久礼太陽塩 心平」のブランド名で売り出した。

 木造の施設内にビニールハウスを設営した作業場。ビニールで覆った木枠に海水を流し込み、日光の力だけで1カ月半~2カ月かけて塩の結晶を作る。加温はしないが、二重構造の建屋は「サウナです」と小川さんは汗だく。真夏の日中は70度にもなるが、夜との温度差が直径5~6ミリと大きな粗塩作りの秘訣(ひけつ)で、幅広い製品につながっているという。

結晶の大きさが違う2種類の「土佐久礼太陽塩」
結晶の大きさが違う2種類の「土佐久礼太陽塩」
 その一つがパウダー状の塩と、最大直径3ミリ程度の中粒を交ぜた商品「ミックス」。地元の鮮魚店からカツオの塩たたきに合う塩をと要望を受け、何十通りもの組み合わせを試して開発した。カツオの切り身に付いた小さい塩が溶けてうま味を引き出し、大きい結晶はカリッと口の中ではじけて味を引き立てる―計算が当たり、好評を得た。

 甘味があってカツオ以外の料理にも合うと、高知市の飲食店や東京のセレクトショップからも引き合いが徐々に増加。ほかにも他業者とのコラボで「塩キャラメル」を作ったり、副産物のにがりは稲作への活用が進んだりと、事業は広がりを見せている。

 小川さんは「塩は誰もが口にするもの。長く愛される塩を作りたい。町外の人に中土佐で塩作りを体験してもらうなど、観光面でも可能性を広げて町に恩返しをしたい」と意欲を見せている。

 「土佐久礼太陽塩 心平」は、赤い粗塩が650円、ミックスが540円(いずれも55グラム、税込み)。道の駅「なかとさ」やJA高知県の複合施設「アグリコレット」(高知市)などで販売している。(富尾和方)

カテゴリー: カツオと海高知のニュース高幡

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