2016.02.23 13:20

小社会 矛盾を「ほことん」、追加予算を「おいかよさん」、…

 矛盾を「ほことん」、追加予算を「おいかよさん」、遵法(じゅんぽう)精神を「そんぽうせいしん」…。国会で取材していたころ、国会議員がこんな誤読をしたことがあると聞いた。

 麻生財務相も首相在任時、未曽有を「みぞゆう」と何度か読み違えた。頻繁を「はんざつ」、踏襲を「ふしゅう」としたこともあった。これが短命政権につながったかどうかはともかく、当人は「単なる読み違い」と意に介さなかった。

 今でも引っかかるのは島尻沖縄北方担当相の発言。9日の記者会見で北方領土の一つ、歯舞群島について「はぼ、何だっけ」と詰まり、そばの秘書官が「はぼまい」と助け舟を出した。その後「歯舞という字は読めるというふうに思っている」と釈明している。

 同じ「忘れる」でも、心にかけないですっかり忘れるのは「放念」。島尻担当相は昨秋、北海道から対岸の歯舞群島を視察したから、これはあり得ない。結果として忘れるのは「忘却」「忘失」だが、これも職務上は考えにくい。

 覚えているはずのことが何かの拍子に出てこないのは、「失念」「度忘れ」と言う。先日決定した政府答弁書は「発言に詰まっただけで、読み方を知らないという事実はない」と強調。今回は失念の類いということなのだろうか。

 7日の「北方領土の日」を含め、2月は「北方領土返還運動全国強調月間」。発言に詰まっただけだったとしても、そのタイミングは最悪だった。
カテゴリー: 小社会コラム


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