2020.10.25 08:45

仁淀の水を地ビールに、醸造所を来月開業 仁淀川町 移住の米国人男性

「ムカイ・クラフト・ブルーイング」を経営するケネス・ムカイさん=左=と妻の正子さん(写真はいずれも仁淀川町下名野川)
「ムカイ・クラフト・ブルーイング」を経営するケネス・ムカイさん=左=と妻の正子さん(写真はいずれも仁淀川町下名野川)
茶やショウガ生かす
 手作りビールで地域に元気を―。吾川郡仁淀川町下名野川に11月1日、地ビール醸造所「ムカイ・クラフト・ブルーイング」が開業する。仁淀川の水にほれこんだ日系4世の米国人男性が町に移住し、バーとともに営む。24日にプレオープンイベントが開かれ、訪れた人は茶など地元産品を生かした個性的なビールを楽しんだ。

 経営するのは米ロサンゼルス出身のケネス・ムカイさん(51)と東京都出身の妻、正子さん(52)。ケネスさんは米国で高校教師として働く傍ら、2005年から趣味でビール造りを続けてきた。化学と物理の教師らしく研究にのめりこみ、友人の結婚式などで振る舞うようになった。

 高知との縁は1997年、所属していた日系人のバスケットボール協会が高岡郡佐川町で交流イベントを開いたのが始まり。当時同町職員だった橋掛直馬さん(61)らと親しくなり、その後もたびたび高知を訪れた。

クラフトビールの醸造施設
クラフトビールの醸造施設
 宴席で橋掛さんらと「高知にビール醸造所を」と盛り上がったのは3年前。ケネスさんは「そのときは笑い話」と振り返るが、橋掛さんは「仁淀川流域全体の盛り上げにつながると思った」。帰国したケネスさんに電話し、移住を誘った。

 米国での安定した職を辞め、日本の田舎に…。ケネスさんは迷ったが、「こんなにきれいな水は世界でここしかない」。橋掛さんを通じてつながった仁淀川町の職員や住民らの後押しもあり、昨年2月に移住した。

 開業場所は、宿泊もできる山村自然楽校「しもなの郷(さと)」の川を挟んだ向かいに決定。県と町の補助金も活用し、今年3月に醸造所とバー「BLUE BREW」が完成した。5月のオープンを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で機材の搬入が遅れ、11月にずれ込んだ。

プレオープンイベントで乾杯する参加者たち
プレオープンイベントで乾杯する参加者たち
 プレオープンイベントでは、茶やショウガ、サンショウ、サツマイモなどを使った3種のビールを提供。店内7席のほか、屋外にも飲食スペースがあり、町内外の約50人が青空の下で個性豊かな味を堪能した。吾川郡いの町のグラフィックデザイナー、宮田臣邦(しげくに)さん(42)は「大手が造るものとは違う味わいがある」と笑顔でグラスを傾けていた。

 ケネスさんは「とにかくおいしいビールを出したい。ここをきっかけに町の良さを知ってもらい、移住したいという人も増えたら」と期待。今後はさらにビールの種類を増やしていく考えだ。年明け以降、県内のレストランなどにも出荷するという。

 バーの営業は日、月、火曜が午前10時半~午後4時。金、土曜が午前10時半~午後9時。問い合わせは醸造所(050・3701・9091)へ。(楠瀬健太)


カテゴリー: 主要社会高吾北

ページトップへ