2020.10.24 08:40

「最後の浮世絵師」山本昇雲(南国市出身)顕彰を 10/25後免で生誕150年祭

「町の人間国宝」と親しまれた山本昇雲。市井にも数多くの作品を残した(「南国人物伝」より)
作品展示や碑除幕
 明治―昭和にかけて活躍し、「最後の浮世絵師」とも称された山本昇雲(1870~1965年)の生誕150年祭が25日、出身地の南国市後免町で開かれる。日本画、石版画、報道画など多方面で活躍した異彩の画家。業績を後世に伝えようと、住民有志が顕彰碑の除幕と特別展を企画している。
 
150年祭のPRポスター。モダンで日本情緒あふれるタッチが特長だ
 昇雲(本名・茂三郎、別号・松谷)は、13歳で河田小龍から「小斎」の号を許されるなど幼少期から画才を発揮。19歳で上京し、南画の滝和亭に師事した。
 
 日本初のグラフ雑誌「風俗画報」の報道画家として風俗や風景、事件などを描いた「挿絵画家の先駆者」。明治末―大正期には、柔らかな筆遣いで数多くの美人画や福々しい子どもの絵を手掛けた。多色摺(ず)りの木版画シリーズは「近代浮世絵」の代表作として海外からも高評価。第6回文展出品の「花」は宮内庁が買い上げた。
 
 今回の顕彰イベントは、後免町公民館運営推進委員会会長の山岡茂生さん(65)らが企画。昨年県内のギャラリーで昇雲の作品を知り、「子どもへの愛があふれる浮世絵に魅了された」。南国市での顕彰機運を高めようと地域を回り、80万円以上の寄付を集めた。
 
 後免町防災コミュニティセンター(同市後免町2丁目)での生誕祭では、敷地内に建立した顕彰碑を除幕。県立美術館の学芸員を招き、「人と作品展」と題して昇雲の企画展を同市初開催する。浮世絵5枚と掛け軸1枚を公開し、来場者には先着で特製ポストカードを贈る。
 
 晩年、家族に相次いで先立たれた昇雲は、26年の第7回帝展を最後に画壇の第一線から引くが、隠棲(いんせい)先で数多くの作品を創作。30年には永平寺傘松閣の天井画を任された。作品群は明治、大正期の風俗研究の第一級資料とされている。
 
 山岡さんは「一般には埋もれつつある存在だが、市井でも『町の人間国宝』と親しまれた昇雲を掘り起こしたい」と話している。
 
 午前10時から顕彰碑除幕。展示会は午後3時まで。入場無料。(横田宰成)

カテゴリー: 文化・芸能香長

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