2020.10.23 08:43

地図にない青の秘境 津野町の白龍湖 <フォっトけないす>

青く静かな「白龍湖」(写真はいずれも芳生野乙)
青く静かな「白龍湖」(写真はいずれも芳生野乙)
 高岡郡津野町の西庁舎から国道439号を天狗高原方面に5キロほど進むと、右手に高さ約6・5メートルのタヌキの像と、同約8メートルの竜のオブジェが見えてくる。車を止めて長靴に履き替え、像の手前にある資材置き場を抜けて進む。北川川の河原の方へと草が茂った小道を下りていくと、突然青い池が現れた。

 地形図や住宅地図にも掲載されていない謎の池だが、数年前からSNS(会員制交流サイト)上で、その神秘的な青さが話題になっている。手書きの看板には「白龍湖」とあるが、人けはない。巨大な像やオブジェといい、これは一体何だろう。

 資材置き場を管理する野波建設(北川)に電話をすると、池を造った人物がいるという。早速会社を訪ねると、同社代表の野波範英さん(86)が迎えてくれた。

 野波さんによると、池を造ったのは昭和の終わり頃。わき水の出る川岸の一部をせき止め、ため池にしたという。辺りは小字を「白砂利」といい、名前の通り石灰岩を多く含んだ地質のため、たまった水が光の関係で青っぽく見えるのだそうだ。

湖底をゆっくり泳ぐコイ。底は白っぽい砂という
湖底をゆっくり泳ぐコイ。底は白っぽい砂という
 ため池の広さは約500平方メートル、深さ約3メートル。ベルトコンベヤーの廃材で作った鉄橋も架けられ、池の上を渡ることもできる。水温は年中15度ぐらいで、雨が降っても濁ることはなく、水面は常に青く輝いている。悠々と泳ぐコイが、どこか気持ちよさそうだ。

 池の名前は「白龍湖」。白砂利の白と、川向かいに竜王様が出るとの伝説がある「蛇(じょう)が渕」があることから、野波さんが名付けた。元々は、近くに建てた別荘の庭として来客をもてなすために設けたものだったが、現在は資材置き場で使う洗浄水をくみ上げるために使っているのだそうだ。

 野波さんは「せっかく造った場所なので、たくさんの人が来てくれるのはうれしい。ゆっくり見ていってほしい」と来訪を歓迎する。見学は自由だそうだが、私有地のため足元の悪い場所もあり、「自己責任で楽しんで」とのことだった。

目印になるタヌキの像。奥に見えるのは竜のオブジェ
目印になるタヌキの像。奥に見えるのは竜のオブジェ
 ちなみにタヌキ像は、野波さんの父、四郎さん(1993年没)が交通安全を祈願して86年に建立。その2年後に、竜王伝説にちなんだ竜のオブジェが完成したという。(須崎支局・富尾和方)

カテゴリー: 社会高幡

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