2020.10.21 08:40

第74回県展 高知工業高校生の作品 今年も存在感 入賞者過去最多

先端美術部門・新人賞の作品「衣替え」と、入選・入賞した高知工業高校総合デザイン科の3年生19人(高知市の県立美術館)
先端美術部門・新人賞の作品「衣替え」と、入選・入賞した高知工業高校総合デザイン科の3年生19人(高知市の県立美術館)
ユニーク発想で4人入賞 入選は3部門で15人
 第74回県展に出品した高知工業高校総合デザイン科の3年生28人のうち、19人が入賞・入選に輝いた。うち4人が褒状や新人賞に入賞。2000年から多くの生徒が出品に取り組む常連校だが、入賞者4人は過去最多となり、今年も存在感が光っている。

 高知工業高校総合デザイン科では例年多くの3年生が授業などで県展の作品制作に取り組み、2006年には特選3人を輩出する快挙も成し遂げている。

 今年は特選こそなかったが、先端美術・洋画の2部門で褒状と新人賞を各1人が受賞。グラフィックデザイン部門も合わせると入選・入賞者は19人に上り、2014年(20人)に次いで過去2番目の多さという実りの秋となった。

 先端美術の会場では、まず大きなキャベツが目に飛び込んでくる。幅125センチ、高さ94センチで、芯も折り重なる葉も本物そっくり。誰もが二度見しかねないこのキャベツは、新人賞に輝いた島内由良さんの作品「衣替え」だ。

 ある時にキャベツが夏の季語と知り、「葉が重なって暑そう。涼しくなればいいな」と発想が膨らんだ島内さん。半分に切ったキャベツを作ることにした。本物そっくりの葉は廃棄される学校のカーテンをもらい、こつこつ折って重ねた。予想より地道な作業に「思うちょったのと違う」と感じつつ、5カ月かけて完成。「同級生で一番最初に始めたのに、終わったのは最後」という渾身(こんしん)の力作だ。

先端美術部門・褒状の「カラフル82%」
先端美術部門・褒状の「カラフル82%」
 同じ先端美術で、山中悠圭里(ゆかり)さんの「カラフル82%」は特選に次ぐ褒状を受賞した。これは何を表現しているのでしょう? 中学時代の自身のニックネームが「ゆかりんご」。そうです、これは四角くなってしまったリンゴ。ポップな明るさで会場を彩っている。

 洋画部門で褒状の池内友麻さんはウサギと十五夜をモチーフに、帰省控えの世相を踏まえ「ウサギも月に帰りたいかな」というイメージを反映。絵本の1ページのような雰囲気に仕上げた。新人賞の門脇まなさんも、カメレオンや魚などを使って食物連鎖にまつわる物語を描き、独自の世界観を展開している。

 「ユニークな発想で、笑いながら楽しんで制作してもらうのが理想」と同科の教員。自由な雰囲気と表現力は作品から伝わる。卒業後は製造業や漫画家など、それぞれの目標に向かう生徒たちは「制作した一日一日の努力を次につなげたい」とうれしそうに語っていた。(徳澄裕子)

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化高知中央

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