2020.10.09 08:41

戦争遺品の日の丸発見 持ち主の「戸谷隆さん」捜して ジョン万次郎の縁

「祈武運長久 戸谷隆君」と書かれた日の丸。読み方は「とや」か「とたに」だろうか。米国の万次郎友好記念館は日本の遺族を探している。その脇には「出口みやこ」「渋谷常郎」の名前も(写真はいずれもホイットフィールド・万次郎友好記念館提供)
アメリカの友好記念館
 太平洋戦争で戦死した日本軍人が持っていたと思われる日の丸の旗が米国マサチューセッツ州フェアヘーブンの「ホイットフィールド・万次郎友好記念館」で見つかった。地元住民の寄贈品の中に含まれていたが、小さく畳まれていたため長く気付かれなかった。寄贈者が誰なのかも今では分からないという。万次郎友好記念館は旗の持ち主の遺族を捜している。

日の丸の右上の部分。「牧野兼治」「清水雄一」「東原強」などの署名が見える。「凱旋を祈る」の文字も
 日の丸には持ち主とみられる「戸谷隆」という名が書かれ、武運長久を祈る100人ほどの寄せ書きがある。住所や日付は書かれていない。大きさは縦65センチ、横80センチ。

 ジェラルド・ルーニー館長は万次郎友好記念館理事でもあるジョン万次郎研究家の北代淳二さん(88)=東京都、高知市出身=に相談し、日本の遺族を捜すこととした。分かり次第、送り届けたいという。

右下の部分。「貝藤」「梶尾」など珍しい名字が多い。「西田きぬゑ」の横は、崩し字で「本窪田(もとくぼた)静子」だろうか。その上辺りに「田路康三」が見える
 北代さんは「これも万次郎が取り持つ縁だと思うので、ご遺族を捜して返してあげたい。日本のどの地方の方のものか全く分からない。名前がたくさんあるので、心当たりがあれば教えてほしい」と話している。

 戦時下で出征する兵士の無事を祈り、家族や知人らが名前や思いを書き込んだ「寄せ書きの日の丸」。米兵が戦場から戦利品として持ち帰ることがあったとされる。

 寄せ書きには「朝霧」「円岡(まるおか・つぶらおか)」「貝藤」「田路」といった比較的珍しい名字や、「備中飯山城主の後裔(こうえい)」と名乗る署名も見える。備中は現在の岡山県西部。

左上の部分。左の中ほどに小さく見える署名は「休(やすみ)惣吉」だろうか。日の丸の赤地の縁に「北京」「保定」など中国の地名が書かれているが、理由は不明
 心当たりの方は高知新聞社開設のメール(hinomaru@kochinews.co.jp)まで。情報は北代さんにも転送する。

「朝霧」「円岡(まるおか・つぶらおか)」という名字が読める。その横のややにじんだ署名は「大霜」か「大箱」か。右側の下の端に「備中 飯山城主」の後裔と記す人の署名が見える。備中は現在の岡山県西部
 ホイットフィールド・万次郎友好記念館は、江戸時代に日本人として初めて渡米した土佐出身のジョン万次郎(中浜万次郎)が過ごしたホイットフィールド船長宅を修復し、2009年にオープンした。(石井研)

ページトップへ