2020.10.05 08:37

県民の疑問に答えます 「なるほど!こうち取材班」 LINE活用

県民・読者の声をきっかけに取材した高知新聞の記事や他紙の記事を転載した紙面のコラージュ
県民・読者の声をきっかけに取材した高知新聞の記事や他紙の記事を転載した紙面のコラージュ
地方紙と記事交換も
 高知新聞社は6月、県民・読者と双方向でつくる調査報道企画「なるほど!こうち取材班」(略称=なるこ取材班)を始めました。無料通信アプリ「LINE(ライン)」の窓口などを通じて寄せられた情報や意見をきっかけに記者が取材。地域の課題解決や疑問解消につなげようと取り組んでいます。

■読者起点で
 高知新聞は、新型コロナウイルスの感染が拡大していた3月、会員制交流サイト(SNS)の一つであるLINEの仕組みを活用した窓口を開設。集まった多くの意見から、県民の不安や生活への影響を報道してきました。

 これを継承・発展させようと、新型コロナ関連も含めて広く情報を受け付ける新窓口を設けました。従来の取材や電話・ファクス・メールに加え、SNSを使って、より多様な声に耳を傾けたい―と考えたからです。

 開設以来、暮らしの疑問や地域の困り事、不正の告発などが毎日のように寄せられています。公益性などの面から、全てのメッセージに応えられるわけではありませんが、取材に着手する場合、投稿者とチャットでやりとりした上で、対面や電話で直接話を聞きます。

 第1弾の「皿鉢料理ピンチ!」では、新型コロナの影響で需要が激減した土佐の食文化の周辺を取材。関係者があの手この手の対応策を模索する様子を紹介しました。

 県内女性からの「夫の職場は『男性の育児休業』を進めているのに、十分に取れない」とのメッセージを受け、県内男性の育休取得が不十分な現状をリポート。8月末の安倍晋三前首相の辞任では、長期政権への評価や次期政権への要望を募り、県民の生の声を紙面化しました

 現在の「友だち」登録者は約670人。皆さんとの結び付きを強め、「読者起点」の紙面作りを深めていきます。

本紙発の「皿鉢料理ピンチ!」の記事は6紙に転載された
本紙発の「皿鉢料理ピンチ!」の記事は6紙に転載された
■ローカルで連携
 SNSを通じて読者とつながり、記事を作っていく手法は全国で広がっています。高知新聞社は「なるこ取材班」の開始に合わせ、全国の地方メディアでつくる「JOD(オンデマンド調査報道)パートナーシップ」に参加しました。

 2018年に西日本新聞(福岡市)を中心に発足したJODは、地方紙24紙が加盟。地域に根付いた報道を続ける各社のネットワークを生かし、日常的に記事交換や情報共有を行っています。

 高知新聞の「皿鉢料理ピンチ!」や「音響式信号うるさい?」といった話題が各地の紙面を飾り、高知新聞には「新型コロナ 蚊でうつるの?」(信濃毎日新聞)や「宅配便 印鑑・サイン必要?」(山陰中央新報)などの生活の疑問を掘り下げた記事を転載しました。

 この他、協働企画としてシリーズ「戦後75年 言葉を刻む」を7~8月に展開しました。過去に取材した戦争体験者の肉声を再録する内容で、徳島新聞や山形新聞などの分も含め22回連載。高知からの声も多数、他紙で紹介されました。

 試行錯誤の取り組みは始まったばかり。JODには「読者とつながるローカルメディア同士が日本全域でつながり、地域や社会の課題に向き合いたい」との狙いがあります。ぜひ「なるこ取材班」の「友だち」登録をしていただき、多くの「なぜ?」「知りたい」を届けてください。(編集局)


なるほど!こうち取材班への情報提供はこちらから

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