2020.09.22 08:00

【コンビニ調査】現場の苦境見据え改善を

 コンビニエンスストアは今や地域にとって欠かせない社会インフラだ。各チェーンの本部は加盟店の苦境と向き合い、持続可能な仕組みへの改善を急いでもらいたい。
 公正取引委員会が、全国のコンビニ加盟店に対する大規模調査の結果を発表した。
 これを踏まえ、本部による24時間営業や仕入れの強制などは独禁法違反(優越的地位の乱用)に当たる可能性があるとの見解を示した。
 調査は、現場の厳しい勤務実態や経営環境を浮き彫りにしている。
 オーナーは深夜勤務が月7日以上あり、休日は月2日ほどだった。一方、標準的な店舗のオーナーの年収は5年前から約200万円も激減し、586万円になった。
 コンビニ店舗数は10年前の約1・3倍に増え、競争が激化。人手不足や人件費の上昇もあり、深夜のアルバイトを雇うのも容易ではない事情がうかがえる。
 調査では、24時間営業を続けたいという回答は3分の1にすぎない。残る3分の2は「一時的に」「実験してみたい」を含め、時短営業に切り替えたいと答えた。
 ところが、本部が「交渉自体を拒絶している」との回答も8・7%あった。公取委は、加盟店の立場に配慮した丁寧な対応を求めている。
 また、半数を超えるオーナーが本部の勧めで意に反して仕入れた商品があると答えた。無断で発注の手続きを進められた経験があるとした回答も約45%に上った。
 コンビニのほとんどの店舗は、本部とフランチャイズ契約を結んだオーナーが経営する。本来は共同して利益を追求する関係にある。
 しかし、集客に必要な商標を本部から借りている上、商品開発や物流、広告宣伝といった必要な機能の大半を本部に依存しているため、加盟店の立場は弱くなる。
 本部から脅しのように「仕入れの要請に応じなければ契約更新できないと言われた」と訴えるオーナーもいたという。本部側の販売計画ありきの姿勢がいびつな取引環境につながっているのならば、早急に改善する必要がある。
 経済産業省もコンビニを社会インフラの一部と捉え、関与を強めてきた流れがある。
 同省の有識者検討会が今年2月にまとめた最終報告では、画一的な24時間営業の見直しや、本部による人件費の一部負担、新規出店より既存店の競争力向上などオーナーの負担軽減と保護を打ち出した。
 公取委は、コンビニ8社に自主的な点検と改善を行い、11月末までに結果を報告するよう求めている。各本部は取引環境の改善に向けた警告と受け止め、本腰を入れて向き合わなければなるまい。
 昨年末の主要コンビニ店舗数は初めて前年比で減少に転じた。業界のビジネスモデルは転換期にある。本部には加盟店との風通しをよくした上で、共存共栄の原点に立ち返った経営の改革を求めたい。

カテゴリー: 社説

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