2020.09.19 08:00

【コロナ制限緩和】感染への警戒は怠れない

 きょうから始まる4連休に合わせて、イベントやプロスポーツなどの入場制限が緩和される。
 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きつつあることを理由に、政府が経済再生に大きく踏み出す形となる。とはいえ人の移動や大人数が集まる機会が増えれば、感染拡大の恐れも増す。
 政府や関係団体はもとより、私たち一人一人もなお感染防止対策を怠らないようにしたい。
 プロスポーツは5千人の人数制限を撤廃し、会場の収容人数の50%まで可能にする。映画や演劇、クラシック音楽のコンサートなど、観客や演者が大声を出さず感染リスクが低いものは上限をなくす。人数制限は9月末まで継続するとしていたのを前倒しで緩和する。
 こうした業界は入場料収入が落ち込み、運営が厳しくなっていた。制限緩和は、苦境にあえぐ事業者への大きな支援となろう。
 緩和されるからといって、もちろん感染への警戒を解くわけにはいかない。
 混雑が増す入退場時には時間差の誘導など、細かい対応が必要となろう。周辺の駅や飲食店で密が生じる可能性も高まる。緩和に応じて自治体や保健所、交通機関に報告し、緊密に連携して集団感染が起きないようにしたい。
 私たち入場する側がマスクの着用や手指の消毒、「3密」を避けるよう心掛けることなどは引き続き大切である。
 10月1日からは政府の観光支援事業「Go To トラベル」の対象に、東京発着の旅行も追加される予定だ。人口1390万人の都民が対象に加われば、地方の観光関連業者の経営を下支えする効果は高まるだろう。
 厚生労働省によると、感染第2波のピークは8月初旬。確かに1日当たり約1600人だった感染者数は現在、半分以下にまで減った。しかし東京は7月中旬と同水準の200人前後の日が最近も続いている。
 第2波では「東京発」で大阪や福岡、沖縄など各地に広がったことが、ウイルス遺伝子の分析で分かってもいる。東京追加への不安は根強い。それだけに今後の感染状況を見極めながら、リスクが高まるようなら東京追加を見直す臨機応変の対応が求められよう。
 国が飲食業を支援する「Go To イート」事業も準備されている。食事券の額面に25%上乗せして消費を促すものだ。
 菅義偉首相は官房長官時代から、感染抑止と社会経済活動の両立を強調してきた。それは理解できるが、ややもすると経済再生に重きを置くきらいも見受けられた。実際、「GoTo」への東京追加に慎重な専門家は少なくない。
 冬場にはインフルエンザとの同時流行も懸念されている。医療体制が逼迫(ひっぱく)しないよう感染防止対策に全力を挙げることを第一に、経済再生は慎重に進める必要がある。

カテゴリー: 社説

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