2020.09.17 08:34

「高専人工衛星」2年続けて宇宙へ 高知の学生ら開発に熱

人工衛星の開発を進める高知高専生(南国市物部乙)
人工衛星の開発を進める高知高専生(南国市物部乙)
後継機へ全国コンも企画
 高知高専(南国市物部乙)などが開発する超小型人工衛星が、2021、22年度と続けて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げるロケットに搭載される。学生らは緊張と期待を胸に、2号機の試金石となる1号機の開発に懸命だ。高知高専などは3号機以降の機能について、全国からアイデアを募るコンテストも企画。宇宙研究に明るい人材育成が、切れ目なく進んでいる。

 「KOSEN―1」と名付けられた1号機の計画は、2018年にJAXAが採択。高知高専を中心に全国10高専が共同開発を進める。打ち上げは2020年度の予定だったが、ロケットに搭載される別の衛星の開発が遅れ、2021年度に延期された。

 一方で今年5月には、6高専で開発する「KOSEN―2」の搭載が決定。高知の学生らが手掛けた衛星が連年で宇宙に旅立つことになった。

 高知高専で開発に携わるのは、今井一雅客員教授(65)と、高田拓准教授(44)の下で活動する「宇宙科学研究部」の部員4人。ソーシャルデザイン工学科4年、吉田龍馬さん(19)と、2年の細木温登(はると)さん(17)、上原康太郎さん(16)、坂本蓮人さん(16)だ。

 「KOSEN―1」は、10センチ四方の立方体を縦に二つ重ねた超小型サイズ(重さ約3キロ)で、約7メートルに伸びるアンテナを搭載。ロケットから宇宙に放出され、地球を90分で1周しながら木星の発する電波を観測する。

 学生らは現在、バッテリーや基板回路などを限られたスペースに組み込む作業中。「集中して、気付けば何時間でも作業している」(細木さん)という。

 今後は姿勢制御などの肝となるプログラム作成も始める。リーダーの吉田さんは「(他校との)共同研究で、足を引っ張らないようにとプレッシャーも感じます」。上原さんも「学びながら、何とか衛星が動くように考えていきたい」と緊張感をにじませる。

 一方では打ち上げ延期で時間に余裕ができたメンバー。1号機には、2号機に使う予定だった小型アンテナ(約8センチ)も取り付けた。2号機の使命は、洋上から発せられる海底の地殻変動データを宇宙空間で収集すること。1号機でアンテナを試験する。

 2号機の実験が成功すれば、大型衛星より安価な小型衛星でのデータ収集につながると期待される。坂本さんは「小学生の時から興味を持っていた宇宙研究ができて、ワクワクしながらの毎日」と笑顔も見せる。

 さらに「KOSEN―3」をにらんだ動きもある。高知高専など6高専が来年11月に実施する「宇宙コンテスト」。全国の高専生に、超小型人工衛星の開発や運用に関する企画をオンライン上で競ってもらう。「小さな衛星の中に、高専生のいろんな夢を詰め込んでほしい」と今井客員教授。学生と宇宙との距離はますます近くなりそうだ。(川嶋幹鷹)

カテゴリー: 環境・科学香長

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