2020.09.17 08:35

農家の「余り物」で食堂 高知大生が香美市に開店 ロス減らし生産者応援

食堂を開いた陶山智美さん(右)と、店を手伝う三島友季さん。「お帰りなさい」の出迎えに来店客はほっこり(写真はいずれも香美市土佐山田町神母ノ木)
食堂を開いた陶山智美さん(右)と、店を手伝う三島友季さん。「お帰りなさい」の出迎えに来店客はほっこり(写真はいずれも香美市土佐山田町神母ノ木)
 高知大学の女子学生がこのほど、農家などで余ったり、規格外になったりした食材を活用する夜限定の食堂を、香美市土佐山田町神母ノ木にオープンした。食品ロスを削減し、生産者を応援する地産地消の拠点。優しい家庭料理が好評で、学生は「食は生活の根源。おすそわけの輪を広げ、おなかも心もほっくほくにしたい」と張り切っている。

 農林海洋科学部4年の陶山智美さん(21)=鳥取県出身=が、5日に開いた「おすそわけ食堂まど」。古民家カフェ「茶房古古」の閉店後に店舗を借り、主に木―日曜の午後6~10時に営業する。

古民家を活用した落ち着いた雰囲気の店内。定食には「大雨で大変でしたね」などと、手書きのメッセージカードも添えている
古民家を活用した落ち着いた雰囲気の店内。定食には「大雨で大変でしたね」などと、手書きのメッセージカードも添えている
 地元の農家や事業者から、無料か格安で譲り受けた“はねもの”の野菜やコメなどを使い、日替わり定食(税込み600円)を提供。玄米入りご飯に、鶏じゃが煮、オクラとミョウガの梅あえ、大根のみそ汁…と、彩り豊かな料理が並ぶ。

 宣伝はインスタグラムのみだが、「取り組みを応援したい」と連日10人ほどが来店。料理人の両親に手ほどきを受けた陶山さんの定食は、「だしがきいてほっこり」「懐かしい母の味」と評判だ。

 陶山さんは鳥取の農業高校で、耕作放棄地を再生するサークルに所属。衰退する中山間農業に興味を持った。高知大進学後は狩猟免許を取得。ジビエや農業の生産者を囲むイベントを開く中で、子ども食堂もヒントに食堂経営を思いついた。

 企業や大学、農地などが混在する土佐山田町は「食育の拠点にぴったり」と、6月に南国市から移住。店名の「まど」には「おすそわけを通じたご縁が、丸く広がってほしい」との思いを込めた。

 将来は高知で就農し、自分で育てた野菜も食堂で使いたいという。店を手伝っている友人の三島友季さん(21)=同学部4年、兵庫県出身=も「農家や農家民宿など、進路に向けた勉強になります」と笑顔を見せる。

 今後は日中の弁当宅配や、子育て中のお母さんたちの雇用なども目指すという陶山さん。「ふらっと気軽に、誰もが普段使いできる地域のより所に」と話している。

 次回営業は18日。詳細は店のインスタグラムで確認を。(横田宰成)

カテゴリー: 主要社会香長

ページトップへ