2020.09.11 08:00

【合流新党】信頼できる政策を早く

 立憲民主、国民民主両党などが結成する合流新党の代表選が行われ、立民の枝野幸男代表を初代代表に選出した。党名も「立憲民主党」に決まり、15日に結党大会を開く。
 新党には現段階で立民から88人、国民40人、無所属21人の計149人が加わっている。100人超の野党第1党は旧民進党が分裂して以来で、巨大与党と対峙(たいじ)する「大きな固まり」とはいえるだろう。
 枝野氏は代表選の後、「緊張感とリアリズムを持って自民党と向き合う」と述べ、政権の選択肢をつくる決意を示した。
 ただ、顔ぶれからは離合集散を繰り返してきた旧民主党勢力が再び結集した印象を拭えない。
 国民の信頼を得て選択肢となるためには、やはり具体的で実現可能な政策や理念を早く明示し、「安倍路線」とは別の道があると説得力を持って示す作業が欠かせまい。
 代表選で枝野氏は、自助や自己責任を強調する新自由主義からの転換と、再分配機能の回復など「支え合う社会」の構築を訴えた。
 安倍晋三首相の後継が有力視される菅義偉官房長官が、自民党総裁選で「自助・共助・公助」を掲げているのを意識してのことだろう。
 新型コロナウイルス対策の強化や森友学園問題の再調査、公文書管理の徹底を提起したのも、安倍政権の迷走や「負の遺産」を踏まえた世論へのアピールといえる。
 一方で、代表選の論戦では断片的であり、具体的な道筋がまだ伝わってこない政策も少なくない。
 例えば、コロナ禍で冷え込んだ景気対策として、消費税率を一時的に0%にするよう与党に求めると踏み込んだ。所得の再分配機能の強化に向けた税体系の見直しでも、所得税の時限的減免や金融資産課税などの強化に言及している。
 コロナ禍が社会のひずみをあらわにし、大胆な財政の手当てが必要なのは間違いない。だが、社会保障の財源をどう確保するのかなども責任を持って示す必要があろう。
 新党の綱領案に盛り込んだ「原発ゼロ」も、太陽光や風力発電が普及しきれない中、代替電源をどう描くのかが課題であり続ける。
 外交・安全保障面では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設中止を明言した。ならば代案はどうするのか。
 一つ一つ説得力を持った政策を示すことが旧民主党の負のイメージを払拭(ふっしょく)し、政権担当能力の評価につながるのではないか。
 自民党総裁選を巡っては、新首相就任後、早々の衆院解散・総選挙も取りざたされている。
 政権批判票が分散して与党を利する展開を繰り返さないよう、野党間の共闘態勢をどう築くのか。新党内の意思統一や、新しい国民民主党、共産党などとの協議でも枝野氏の力量が問われよう。
 1強多弱の下で政治に緊張感を失わせた責任は野党にもある。それを自覚した新党の構築を求める。

カテゴリー: 社説

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