2020.09.12 08:38

子どもの食品窒息に注意 高知の小児科医・吉川清志さんに聞く

大きな粒は小さく切って出すことが重要だという
大きな粒は小さく切って出すことが重要だという
大粒ブドウなど原因に
 東京の幼稚園で4歳児が大粒のブドウを喉に詰まらせて亡くなる痛ましい事故が起きました。身近な食品で起こりうる幼い子どもの窒息事故を防ぐにはどうすればいいのでしょう。高知県内で30年以上小児医療に取り組む高知医療センターの元病院長、吉川清志さん(現土佐希望の家医療福祉センター長)に聞きました。危ない食物は? 万が一の時の対処法は?

 まず、今回の事故が特異なケースかというと、そうではなさそうです。日本小児科学会の資料で乳幼児の死因を調べてみると、100人に1、2人が食べ物による窒息で亡くなっています。年齢別では、0歳が0・6%、1歳で1・1%、2歳は2・2%、3歳が1・0%、4歳1・7%などとなっています。

 ただ、「この数字は氷山の一角でしょう」と吉川さんは言います。「危なかった事例はたくさんあると思います」とした上で、「周りの大人が気を付けて防いでほしい」と呼び掛けています。「日本は病気による新生児死亡率が減ったが、窒息、溺水など事故で亡くなる子が結構多いのが問題です」と付け足してくれました。

 今回の東京の事故では、給食で出た直径3センチの「ピオーネ」が窒息を引き起こしました。ブドウは軟らかく水分も多いので危険な感じがしないかもしれませんが、むしろ逆だそうです。

 吉川さんによると、小さな子どもは歯がまだ上手に使えず、大人のようなそしゃく力はありません。だから、喉につるりと滑り込む食品は危険なのです。

 教育・保育施設向けの国のガイドラインでも、窒息につながりやすい食べ物としてブドウのほかプチトマトやあめ類、うずらの卵、サクランボなどが挙げられています。ほかにも乾いたナッツ、豆類、白玉団子なども。子どもはかめない食材を吸い込むため、ピーナツ1粒で亡くなることもあるそうです。

吉川清志医師
吉川清志医師
 吉川さんは「大人がそばに付いていてもダメ。大きい形状のまま与えないことが必要」と強調します。

 何か対策はあるのでしょうか。ブドウやミニトマトなら4分の1以下に切るなど、子どもの発達に応じて小さく切ることが大切。食べながら歩くことも事故につながる一因で、「食事時は座る」といった習慣をつけることも大事だと指摘します。

 万が一の場合はどうすればいいのでしょうか。まずはすぐに119番をすること。救急車を待つ間の応急処置としては、大人が立てた膝上に子どものおなかを乗せ、背中をたたいて異物を取り除く方法などがあります。日本医師会のホームページに具体的な救急蘇生法が紹介されています。(松田さやか)

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