2020.09.10 08:37

海洋堂、体制刷新 MSDと資本業務提携 新社長と「センム」両輪に

宮脇専務「世界中を驚かせたい」 
佐藤社長「ディズニーに負けぬ」

同年代で息ぴったりな宮脇修一専務(右)と佐藤哲郎社長。おもちゃ箱のような会議室で =大阪府門真市の海洋堂本社
同年代で息ぴったりな宮脇修一専務(右)と佐藤哲郎社長。おもちゃ箱のような会議室で =大阪府門真市の海洋堂本社
 フィギュアメーカー、海洋堂(大阪府門真市)が6月、三井物産などが設立したMSD企業投資(東京都千代田区)と資本業務提携を結んだ。これに伴い、創業者の宮脇修館長(92)の長男、修一氏(63)は社長を退任し、愛称通りの“センム”(専務)に就任。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの常務だった佐藤哲郎氏(61)が8月、新社長に就いた。ネット上では「海洋堂が乗っ取られた」と騒ぎになった提携話。海洋堂関連の施設がある高知県への影響も気になるところだ。当の2人に、新体制の狙いと海洋堂の未来を聞いた。(横田宰成)

 ―6月にMSDが9割の株式を取得した。

宮脇専務 「サブカルが注目され始めた1990年代から、融資やM&A、上場などの話がたくさんあったが、断ってきた。胸張って『もうけてまっせ』とは言えんが、傾いてつぶれかけているわけやないし。増資はほんま、たまたま」

 ―海洋堂の2人の夢をサポートするというスタンスなのか。

宮脇専務 「MSD側は『ポテンシャルはまだまだ。自分たちにも素晴らしい出資になる』と言うて。自分らが思う以上に、海洋堂は、世界中でブランド力があるらしいんですな。突っ込みどころ満載の話なので、『海洋堂は館長、センムという“国王”が全てを取り仕切る国家。権限はそのままで』という条件を出した。そしたら、『お二人が絶対にやめないことが出資の条件』と来た」

 ―どんな経営体制になるのか。

宮脇専務 「経営戦略、人事、財務、労務関係を社長にお任せ。主催イベント『ワンダーフェスティバル』しかり、来春開業の海洋堂ホビーランド(門真市)、日本で唯一のフィギュア専門工房となる南国ファクトリー(南国市)しかり。ホビー館、かっぱ館(以上四万十町)、ミュージアム黒壁(滋賀県)と、どの事業も変わらず進める」

 ―新体制でのビジョンを。

宮脇専務 「大きな資本力を得て、もっとおもろく、すごいもんを作って『どやっ!!』と世界中を驚かせたい。今まで以上に、私自身もワクワクしますな」

 「11月には大々的に発表会を開き、会社のマニフェストも発表する。アクションフィギュアにガチャガチャ、南国ファクトリーでつくるソフビ…。絞りに絞った柱は11個。初のプラモデル(アートプラ)も発売する。小さなプラモ屋から始まった海洋堂の原点回帰のものづくり。これからが『真(しん)海洋堂』の出発ですわ」
 
 ―資本提携で海洋堂はどう変わるのか。

佐藤社長 「良くも悪くも館長とセンムがリーダーだったのが、民主化された会社になる。ただ、2人の権限保障は提携の絶対条件。僕が加わることで、社員49人の生活を守る『経営』と、『ものづくり』が両輪になる」

 ―センムの役割は。

佐藤社長 「スポークスマンとして、やりたいことをどんどんやってほしい。僕は社員が働ける土台や仕組みをつくり、ボトムアップで会社の未来を考える」

 ―社長を引き受けた決め手は。

佐藤社長 「世界展開しているディズニーですが、アメリカ生まれ。60歳になり、『日本発のコンテンツを発信したい』と挑戦を考えていた」「海洋堂のことは知らなかったが、まさに『クールジャパン』。アニメなど日本発(の文化)が海外勢に食いつぶされる中、最後のキラーコンテンツだと思った」

 ―今後の抱負を。

佐藤社長 「海洋堂の人材、コンテンツ力に今回、資本もついた。センムと二人三脚で世界に打って出る。『ディズニーに負けないぞ!!』と思ってます。(ミュージアムなど)国内外の拠点やファンと連携した戦略を進め、地方再生にもつなげたい」

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カテゴリー: 社会海洋堂文化

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