2020.09.09 08:00

小社会 居抜きの功罪

 和菓子やカレーで有名な東京の中村屋の創業者は実業家、相馬愛蔵・黒光夫妻だ。なぜ中村屋なのか。120年近く前、東京帝大前にあった同名のパン屋を店舗だけでなく、かまどや職人まで居抜きで買い取ったからだという。

 なかなか繁盛していた店なので屋号も変えなかった。前の経営者は米相場で失敗。相馬夫妻はそれを教訓に「営業が相当目鼻のつくまで衣類は新調せぬこと」(石川拓治著「新宿ベル・エポック」)といった地道な方針を立てた。後の隆盛を考えても、居抜きの成功例に違いない。

 ビジネス本には、居抜きの功罪が書いてある。初期投資が少なく、営業を早く開始できる。その半面、集客しにくい立地や設備のトラブルなど前の経営者が失敗した理由がある。まずその理由を明確にしておくことが大事という。

 こちらの経営者交代はどうなるだろう。きのう始まった自民党総裁選。大半の派閥がついた菅官房長官の優位が伝えられる。長く安倍政権の中枢にいたから当たり前かもしれないが、目立つのは「継承」の2文字だ。

 ただ、1強政権には「負の遺産」といわれる要素がある。お友達重用の側近政治。首相官邸に人事権を握られた官僚の忖度(そんたく)。あまりにも継承をいわれると、そんな権力構造まで居抜きをするのではと心配する。

 久しぶりの経営者交代だ。「前の店」の教訓も正面から見据え、次に生きるような論戦を聞いてみたい。


9月9日のこよみ。
旧暦の7月22日に当たります。きのと う 三碧 仏滅。
日の出は5時45分、日の入りは18時21分。
月の出は22時21分、月の入りは11時46分、月齢は21.0です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で3時40分、潮位68センチと、15時25分、潮位104センチです。
満潮は10時00分、潮位154センチと、21時25分、潮位166センチです。

9月10日のこよみ。
旧暦の7月23日に当たります。ひのえ たつ 二黒 大安。
日の出は5時46分、日の入りは18時19分。
月の出は23時02分、月の入りは12時43分、月齢は22.0です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で4時33分、潮位72センチと、16時07分、潮位118センチです。
満潮は11時13分、潮位144センチと、22時03分、潮位158センチです。

カテゴリー: 小社会コラム

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