2020.08.09 08:38

高知・幡多の「妖怪地図」発売へ 四万十漫画倶楽部、6市町村の伝承紹介

「幡多妖怪地図」の制作に励む四万十漫画倶楽部のメンバー(四万十市中村天神橋)
「幡多妖怪地図」の制作に励む四万十漫画倶楽部のメンバー(四万十市中村天神橋)
地域知るきっかけに
 四万十市の漫画サークル「四万十漫画倶楽部」が、幡多6市町村に伝わる妖怪伝承を漫画や文章などで紹介する「幡多妖怪地図」を制作している。8月17日に発売予定で、メンバーは「地域の新たな魅力の発見、PRにつながる」と力が入っている。
 
 「―倶楽部」は、漫画好きの有志が画材の使い方や表現技法などを学び合おうと2015年にスタートした。地元出身の漫画家、井上淳哉さん(48)らも活動に協力している。
 
 サークルメンバーの今城正貴さん(33)=中村山手通=は趣味で妖怪などの伝承を収集。2年ほど前、その資料が井上さんらの目に留まり、「みんなで絵を描いて、分布図にまとめたら面白い」と、妖怪地図制作の話が一気に具体化した。
 
 今城さんは改めて県内外の図書館などを巡り、民話や郷土資料を研究。約2年をかけて妖怪の“痕跡”を探し集めた。特に場所の特定は骨が折れた。「大まかな記述が多く、資料を幾つも照らし合わせてたどり着いた」といい、「実際に訪れ、資料にある地名を見つけた時は感動しました」。
 
 今城さんの資料を基にメンバー10人が作画を担当した。妖怪の容姿など詳細が残っていない場合も多く、想像力を膨らませて描いた渾身(こんしん)の作品ばかり。井上さんが描き下ろしたイラスト10枚も盛り込まれている。
 
 幸福をもたらすという「佐田の大蛇」(四万十市)や、人に取りついて空腹や倦怠(けんたい)感を与える「ヒダリンボー」(幡多郡三原村)、数々の妖怪を倒したとされる女性「岩井のおかね」(土佐清水市)などの伝承72編を集録。怪異、幽鬼、異能者などに分類し、特徴も紹介する。
 
 「―倶楽部」主宰の田辺リカさん(50)=渡川2丁目=と宮脇さなえさん(35)=中村京町3丁目=は「地図を手に、ぜひその場所を訪ねてみて」。井上さんは「妖怪文化から昔の日本人の優しさや恐れ、楽しみ方が伝わってくる。その奥深さを、幡多の例を一つの物差しとして知ってほしい」と話していた。
 
 A5判100ページで、500冊発行予定。1冊500円を通販のほか、井上スポーツ(中村京町1丁目)や四万十市内の一部書店で販売予定。注文、問い合わせはメールで同サークル(shimakula@yahoo.co.jp)へ。(平野愛弓)

カテゴリー: 主要社会幡多

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