2020.08.04 08:45

「大」文字の伝統守る 佐川町竹ノ倉地区、ろうそくから電球に

権現嶽に浮かび上がった「大」の文字(写真はいずれも佐川町加茂)
権現嶽に浮かび上がった「大」の文字(写真はいずれも佐川町加茂)
 高知県高岡郡佐川町の竹ノ倉地区に2日夜、火文字が浮かび上がった。権現嶽(標高189メートル)の山頂に提灯(ちょうちん)を並べ、ろうそくをともして文字を描く行事。担い手の高齢化で実施が危ぶまれていたが、地元の住民組織「加茂の里づくり会」が簡素化して、伝統の灯を守った。

 竹ノ倉は同町と日高村の境、加茂地区の集落。火文字は明治期に五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を願って始まったとされ、町指定文化財になっている。権現嶽山頂に立つ聖神社裏手の岩場に足場を組んで、提灯を並べてきた。

 戦後は物資不足もあって中断していたが、1983年に地元有志が復活。その後の毎年、神社の氏子が例祭に合わせて実施している。10年ほど前に、足場は竹製から鉄骨製となり、かつては「和」や「栄」など年ごとに変えていた文字も毎年、縦8メートル、横9メートルの「大」にしている。

提灯の取り付け作業。今年から電球を使用した
提灯の取り付け作業。今年から電球を使用した
 ただ当日は高所、暗闇で、ろうそくに着火する作業を強いられる。氏子の高齢化が進んだことから、今年は開催を見送ろうとしていたが、話を聞いた里づくり会メンバーが「みんなが楽しみにしている行事。何とかしたい」。地元電器店の協力で、提灯34個をLED電球と発電機で光らせることにした。

 2日午後7時半。山上に「大」の字がくっきり浮かび上がると、集落活動センター「加茂の里」(同町加茂)に集まった住民は、「おーきれいな」「はっきり見えるね」と歓声。氏子総代の北添秀紀さん(69)は「自分らあの代でやめるのは寂しかった。きれいにやってもらえてよかった」と話していた。

 里づくり会の大山端会長(80)は「地域の伝統をつなぐことができた」と感慨深げ。毎年、火文字に合わせて「加茂の里」でビアガーデンを開いているが、今年は新型コロナウイルスの影響で取りやめになっており、「来年は火文字を見ながら、にぎやかにやりたい」と話していた。(楠瀬健太)

カテゴリー: 社会主要高吾北

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