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2020.07.24 08:00

【東京五輪1年】選手の心に寄り添いたい

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け来夏に延期された東京五輪・パラリンピックまで1年となった。
 競技の代表に内定している選手、これから選考される選手、さらに私たち国民にとっても気持ちの上で大きな節目となる。
 コロナ禍という不測の事態の中、五輪延期が3月に決まった後、選手たちはどんな気持ちで日々の生活を送り、練習に励んできただろう。
 「1年後の開催を信じて努力を続けていく」「もっともっと強くなりたい」―。そんな選手の決意は、各国の選手の思いときっと同じだ。
 競技力や体力面はむろん、精神面も目指す大会でピークになるようにアスリートは強化している。その目標が1年延びれば、計画の練り直しを当然求められる。
 日本代表の選考を巡っては、マラソンや卓球など内定している選手が100人以上いる。一方で、選考を兼ねた大会などがコロナ禍で中止となり、選考大会がこれから開かれる競技も少なくない。
 内定の有無にかかわらず、体力や精神力の維持にそれぞれの選手は苦労し、悩んでいるはずだ。監督やコーチなど指導者も、選手の健康や栄養面などを幅広く目配りしなければならない。感染対策で、屋内施設など練習場所が使えなかったり、使用が制限されたりしたケースも多かっただろう。
 今年は五輪に限らずさまざまなスポーツ大会やイベントが延期・中止となった。プロ野球やサッカーJリーグがようやく始まり、勇気や元気、希望を与えてくれるスポーツの効用に多くの国民は改めて気付いたはずだ。そうした希望を見せてくれる全てのアスリートの心に私たちは寄り添い、応援したい。
 ただし、長く続くコロナ禍で収入減や財政悪化に苦しんでいる国内の競技団体は多い。共同通信の調べでは、9割以上が選手強化費の捻出などに苦労しているという。
 同じ調査では、PCR検査など感染防止策の経費支援を日本オリンピック委員会(JOC)や国に求める競技団体もあった。サポートの強化に力を入れたい。
 「見えない敵」も手ごわい。
 感染者は世界全体で1500万人、死者も60万人をそれぞれ超え、収束時期は全く見通せない。国民の多くが来夏の開催を危ぶんでいるという世論調査もある。
 各国の選手や観客、報道陣らが安心して五輪を楽しむには新薬やワクチン開発が重要なのは間違いない。それとともに感染拡大の防止策をきちんと準備し、徹底すれば大会開催に光が差すのではないか。
 来夏の大会で想定される選手は総勢約1万1千人、ボランティアを含めた大会スタッフは15万人を超す。
 選手らへのPCR検査や、会場の3密防止、観客数の制限など検討すべき課題は多い。大会組織委員会は国際オリンピック委員会(IOC)などと入念に協議し、準備に力を入れてほしい。

カテゴリー: 社説

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