2020.07.19 08:38

水煙の渓谷、幻想的 高知県香美市「轟の滝」

奥に見えるのが3段目の滝つぼ。渓谷全体に水煙が立ちこめ、幻想的な世界が広がっている(香美市香北町猪野々)
奥に見えるのが3段目の滝つぼ。渓谷全体に水煙が立ちこめ、幻想的な世界が広がっている(香美市香北町猪野々)
 白銀の清流が、山の断崖を切り裂くように滑り落ちる。香美市香北町猪野々の轟(とどろ)の滝。このところの雨で増水し、吹き上がる水煙が渓谷を幻想的に包んでいる。

 物部川支流の日比原川上流にある県指定文化財(名勝・天然記念物)の名瀑(ばく)。落差82メートル、3段の滝つぼからなり、優美さと豪快さを備えた様は「西日本で一、二」とも称される。

 〈滝へゆく 石高みちの たそがれを 柚の木の童子 ひとり登り来〉。この地に隠せいしていた歌人、吉井勇もしばしば“滝浴”に訪れ、数首の歌を残している。

 遊歩道を下りて滝を見上げるが、立ちこめる水しぶきに視界を遮られる。ゴーという水のうなりだけが響き、まるで渓谷全体が真っ白な滝の深淵(しんえん)かのようだ。(横田宰成)

カテゴリー: 環境・科学香長

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