2020.07.16 08:33

「戦争が家族と日常奪った」 「草の家」館長が香美市山田小で講話

投下された実物の焼夷(しょうい)筒を見せながら児童に空襲体験を説明する岡村正弘館長(香美市土佐山田町西本町2丁目の山田小学校)
投下された実物の焼夷(しょうい)筒を見せながら児童に空襲体験を説明する岡村正弘館長(香美市土佐山田町西本町2丁目の山田小学校)
 平和資料館「草の家」(高知市)の岡村正弘館長(83)がこのほど、高知県香美市の山田小学校で講話した。6年生82人に1945年の高知大空襲で母親と姉を亡くした体験を涙ながらに伝え、反戦と平和の尊さを訴えた。

 岡村館長は学校を中心に200回以上の語り部活動を行っているが、新型コロナウイルスの影響で今年は13日の山田小学校訪問が初めて。平和学習に力を入れる山田小学校の依頼で、体験をつづった紙芝居を妻の花子さん(81)とともに披露した。

 高知大空襲は1945年7月4日午前2時ごろから、高知市が受けた米軍の無差別爆撃。死者455人以上、約1万1900戸が全半焼した。

 岡村館長は当時、小学2年生。防空壕(ごう)が息苦しく、母の制止を振り切って鏡川へ逃げ、朝、つぶれた壕を目の当たりにした。「まだ煙も出よった壕を兵隊がスコップで掘ったら、妹を抱いて変わり果てた母も見つかって…。今もよう忘れん」

 生き残った父も1年ほどして他界。「戦争が、空襲が、家族の幸せな日常を一夜にして奪った」と何度も目頭をぬぐい、「人権を大切にできる社会こそが、戦争への道を食い止める底力になります」と語り掛けた。

 香美市でも1945年7月22日に「佐岡空襲」があり、住民ら11人が死亡している。大沢良羽(りょう)君(11)は「たくさんの命が奪われていたことを知り、驚いた。お話を忘れずに、戦争のない世界を目指して努力したい」と話していた。(横田宰成)

カテゴリー: 社会香長

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