2020.07.09 08:40

横断歩道そば危険バス停の見直し検討 高知県内対象108カ所

児童の通学にも使われるとさでん交通の路線バス(高知市春野町)
児童の通学にも使われるとさでん交通の路線バス(高知市春野町)
車体で死角に
 横断歩道の近くにあるバス停の危険性が問題視されている。横断中の人が停車するバスに隠れ、他のドライバーから見えづらくなるためで、特に信号のない横断歩道では子どもの重大事故が県内外で起きている。国土交通省は昨年12月、全国のバス会社に調査を指示。高知県内では移設などの検討が必要なバス停が108カ所見つかっている。 

 全国調査の契機は、2年前に神奈川県で起きた小学女児の死亡事故だった。現場はバス停近くの横断歩道。バスは横断歩道をまたぐ形で停車していた。女児はバスを降り、車両後方から道路を渡ろうとして対向車にはねられた。

 バス停と横断歩道の距離は約5メートル。女児は停車するバスに隠れ、対向車から見えづらい状況だった。

 高知市でも同年、小学男児がバスを降りて横断中に事故に遭った。男児はバス前方の横断歩道を渡っており、バスを追い越そうとした後続車にはねられ、一時、意識不明の重体となった。

 事故現場は実際のバス停からは離れており、運転士が児童が長い距離を歩かなくてすむように配慮して、横断歩道近くで停車させていたという。

 どちらも信号のない横断歩道で、停車するバスが死角をつくっていた。

   ■   ■
 国交省は2019年12月、信号の有無にかかわらず、横断歩道もしくは交差点から5メートル以内にバスの車体が入って停車するバス停は「見直しの検討が必要」とし、全国のバス会社に調査を指示。高知県内で乗り合いバス事業を行う18社が調査、回答したところによると、県内では108カ所が該当した。このうち高知市や土佐市などで運行するとさでん交通のバス停は56カ所あった。

 記者が高知市内を回ったところ、信号のない横断歩道そばのバス停は、保育園の近くや道の狭い住宅地、通勤通学時の交通量が多い場所でも確認され、中には横断歩道との距離が1メートル以内のバス停もあった。

 とさでん交通の担当者は「安全上問題がないとは言えない」としつつ、「家のそばにバス停が置かれるのを嫌がる人が多く、設置の同意を住民にもらうのに苦労する。移設したくてもなかなかできない」と対策の難しさを口にする。

 現在、見直し対象として挙がった108カ所のうち、移転などの対策が決まったバス停はまだない。

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 そもそもバス停と横断歩道との間隔を定める法律や全国基準はない。設置・移設時に地元警察が安全性を確認するようになっており、対応は各都道府県警に任されている。

 例えば、神奈川県警は信号のない横断歩道からバス停を30メートル離す内規を設けている。これに対し、高知県警は信号の有無を問わず5メートル以内にはバス停を設置しないよう指導しており、より死角が生まれやすい基準と言える。国交省の調査を受け、県警交通規制課は「まずは現状を確認して対応を考えたい」とする。

 国交省高知運輸支局は今後、バス会社や県警、道路管理者と協議会を設置。バス停の事故リスクなどを判断し、危険度の高いものから移設を含めた対策を話し合うという。(福井里実、福田一昂)

カテゴリー: 政治・経済主要

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