2020.07.07 08:42

岡田以蔵がゲームで大人気 高知市の墓にファン 広告掲載新聞に注文殺到

6日の高知新聞朝刊に掲載された見開き広告写真
6日の高知新聞朝刊に掲載された見開き広告写真
伝記売り上げも急増
 スマートフォン向けの人気ゲーム「Fate/Grand Order(フェイトグランドオーダー)(FGO)」の見開き広告が7月6日付の高知新聞朝刊に掲載され、全国のファンから新聞の注文が殺到した。広告に登場したのは、土佐勤王党員で「人斬り以蔵」とも呼ばれた岡田以蔵。ゲームのキャラクターとして人気が高く、ファンが墓参りで高知を訪れ、以蔵の伝記の売り上げ増につながるなど、大きな反響が起きている。 

ゲームのファンも訪れている岡田以蔵の墓(高知市薊野北町1丁目)
ゲームのファンも訪れている岡田以蔵の墓(高知市薊野北町1丁目)
 FGOは、世界各地の伝説の人物ら約300人がキャラクターとして登場するロールプレーイングゲームで、今年4月にはダウンロード数が2千万を突破した。5月からはリリース5周年を記念し、47都道府県の名所とゆかりのキャラクターを配したイラスト広告を全国の地方紙に順次掲載している。

 ゲームの中で以蔵は2018年、坂本龍馬と同時に登場した。土佐弁を話し、人斬りとして荒々しく振る舞う一方、弱気な一面も見せるギャップがファンの人気を集めた。

 見開き広告は「時代は変わるちゅうても、ここは変わらんのう」との言葉とともに、桂浜を歩く以蔵をデザイン。高知新聞社がネット販売枠として2千部を用意し、6日午前6時から受け付けを始めたところ、2時間ほどで完売した。

 ツイッターのトレンド(登場頻度が高く話題性の高い言葉)には「以蔵さん」が入り、「以蔵さんやったー!!」「(高知に)おかえりなさい」「うれしい。泣きそう」とのつぶやきが相次ぎ、ファンの熱狂ぶりをうかがわせた。

 朝刊配達を午前5時から待っていたという40代女性=土佐市=は「以蔵さんや!って、朝から友人と大盛り上がり。さっそく『聖地巡りで桂浜に行きたい』という県外の友人もいますよ」とうれしそうに話した。

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 ゲームの以蔵ブームは現実の世界にも波及している。

 高知市の歴史家、故・松岡司さんが2014年に刊行した伝記「正伝 岡田以蔵」は、FGOに以蔵が登場した2018年以降売り上げが急増した。出版元の戎光祥(えびすこうしょう)出版(東京都)がネットで宣伝したためで、「会社ができて以来のすごい勢いで売れました」と戎光祥出版。現在は6版まで出ており、「歴史の一般書でこんなに重版がかかることはまずありません」と声を弾ませる。

 高知市薊野北町1丁目の真宗寺山にある以蔵の墓でも、全国のFGOファンの姿がみられるように。墓前に用意された台帳には「やっとお会いできました」「来てよかった」などのメッセージやゲームの以蔵のイラストが寄せられている。

 台帳を管理する地元の西森一郎さん(89)は「広告の舞台が桂浜なら龍馬が登場してもおかしくないのに、以蔵が大きく出ていて感動した。えい男ですねえ」と喜び、「以蔵は裏方に徹し、歴史の表舞台にあまり出てこなかった。この広告をきっかけに、以蔵が顕彰されることを期待してます」と話していた。 (河本真澄)

カテゴリー: 文化・芸能

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